障害年金の相談から受給までフルサポートする社労士
コラム
公開日: 2016-02-05
初診日の証明『20歳前傷病による障害基礎年金』
社会保険労務士の湯澤と申します。
国民年金から支給される障害基礎年金の支給要件は以下の通りです。
①初診日において『被保険者』であること。
②初診日において『被保険者』であった者で、日本国内に住所を有し60歳以上65歳未満であること。
国民年金の『被保険者』になることができるのは20歳からです。
上記の要件からすると障害基礎年金が受けられるのは、20歳〜65歳の間に初診日がある人という事になります。
生まれつき障害のある方や20歳になる前に病気やケガで障害を負った方は、障害基礎年金を受けられないのでしょうか。
【20歳前傷病による障害基礎年金】と言う制度があります。
初診日において20歳未満の者が、
①障害認定日以降に20歳になったときは20歳になったとき
②障害認定日が20歳になった日後であるときは障害認定日
において、障害等級1級または2級に該当するときは障害基礎年金が支給されます。
その20歳前傷病による障害基礎年金を何十年も経ってから請求する場合があります。
障害基礎年金と言う制度を知らないがためです。
こう言う場合、『初診日』をどう証明すればいいのでしょうか。
少なくとも20歳より前に受診していることが医証(医療機関の証明がある書類)や身体障害者手帳等の交付日等の参考書類により明らかである場合、本人申立てた初診日を確認し、他の書類と比較して不整合がない場合は、その日を初診日と判断します。
【事例1】
平成27年12月(29歳時)に「てんかん」で請求。
本人が申立てた初診日(平成8年12月頃)は、カルテが保存されていなかったため、病院の証明は提出できなかった。
しかし、3番目に受診した病院の「受診状況等証明書」から平成12年7月9日(14歳時)に受診していることが確認できたことから、本人申立ての初診日を初診日として認定した。
【事例2】
平成27年12月(37歳時)に「両側感音性難聴」で請求。
本人が申立てた初診日(昭和56年3月頃)は、カルテが保存されていなかったため、病院の証明は提出できなかった。
しかし、「身体障害者手帳(傷病名:感音性難聴 2級)」が6歳時に交付されており、少なくとも20歳より前に受診していることが明らかであったことから、本人申立ての初診日を初診日として認定した。
【事例3】
平成27年10月(21歳時)に「広汎性発達障害」で請求。
本人が申立てた初診日(平成17年10月23日)は、受診していた病院が廃院していることから病院の証明は提出できなかった。
しかし、「精神保健福祉手帳申請時の診断書(写)」より、少なくとも20歳より前に受診していることが明らかであったことから、本人申立ての初診日を初診日とした。
身体障害者手帳や精神保健福祉手帳は、交付時に診断書を提出するため、少なくとも交付日より前に病院で受診していることが推認できます。
最近投稿されたコラムを読む
- 精神障害における日常生活の制限度合いの考え方(その2) 2017-12-08
- 精神障害における日常生活の制限度合いの考え方(その1) 2017-12-08
- 精神の障害の等級判定ガイドラインについて 2017-06-06
- 初診日の証明『一定の期間継続して異なる公的年金制度に加入している場合』 2016-03-12
- 初診日の証明『一定の期間継続して同一の公的年金制度に加入している場合』 2016-03-03
このプロの紹介記事

「障害年金」専門の社労士です!あなたの不安、困ったを解決し、受給開始まで安心フルサポートします(1/3)
2015年1月、障害年金のプロフェッショナルである社会保険労務士の湯澤裕至さんが「サポート 障害年金相談室」を鴻巣市に開設しました。 「年をとったら老齢年金、旦那さんが亡くなったら遺族年金というイメージは皆さんお持ちです。でも、病気や...
プロのおすすめコラム
› 新着記事一覧
精神障害における日常生活の制限度合いの考え方(その2)
社会保険労務士の湯澤と申します。精神障害における日常生活の制限度合いの考え方の続きです。次に、『日...
精神障害における日常生活の制限度合いの考え方(その1)
社会保険労務士の湯澤と申します。障害年金は、当然ですが「診断書」が命です。障害年金には独自の診断書...
精神の障害の等級判定ガイドラインについて
障害年金は「障害認定基準」と言う基準に基づいて、受給できる障害の状態にあるのか判定されます。「障害認定...
初診日の証明『一定の期間継続して異なる公的年金制度に加入している場合』
社会保険労務士の湯澤と申します。前回は【一定の期間継続して同一の公的年金制度に加入している場合】の初診...
初診日の証明『一定の期間継続して同一の公的年金制度に加入している場合』
社会保険労務士の湯澤と申します。医療機関の証明がある書類(医証)が無く、『初診日』が証明できない場合ど...
人気のコラムTOP5
-
- 1位
- 『初診日』の証明(紹介状、障害者手帳等の申請時の診断書) 2よかった
-
- 2位
- 精神障害における日常生活の制限度合いの考え方(その2) 1よかった
-
- 3位
- 『初診日』の証明(病院の証明) 1よかった
-
- 4位
- 『初診日』と『保険料納付要件』 1よかった
-
- 5位
- 『初診日』の考え方 1よかった
スマホで見る
このプロの紹介ページはスマートフォンでもご覧いただけます。
バーコード読み取り機能で、左の二次元バーコードを読み取ってください。