コラム

 公開日: 2017-02-28 

どうして年収1200万円で年間136万円の社会保険料を減らせる方法がヤバいのかご存知ですか?

役員報酬の社会保険料削減スキーム、という名称を聞いたことがありますか?
以前にもここで書かせていただきましたが、大事なことなので、もう一度お付き合いいただければと思います。

◆ 年間報酬1200万円なら社会保険料136万円の削減

◆ 役員退職金がほとんどなくなるリスク

さて、よくある役員報酬のパターンで、毎月100万円、賞与ゼロで年間合計1200万円。

この場合、単純に月々の役員報酬100万円に対して社会保険料がかかるところを、毎月の役員報酬を100万円から10万円に変更して、かわりに年2回の役員賞与をそれぞれゼロから540万円ずつに変更すると、年収の合計は1200万円で変わらなくても、社会保険料は年間で約136万円減ります!!

ところがコレ、私からは絶対に提案しませんし、手続きをヤレと言われても断ります。
なにも私が国家資格者だからアヤシイことはしない、というのではありません。
フツーの経理マンの視点からも明らかに 『 超重大リスクまっしぐら 』 の手法だからです。

ではその 『 超重大リスク 』 とは?

大きく2つあります。

まずは税務上の問題点。

税務署への手続きで、事前確定届出給与に関する届出書、という書類を提出すると、毎月の役員報酬を低くして、賞与を高くして、その結果、社会保険料を減らせます。

( ここは専門的な内容になりますので詳しくは身近な税理士さんにお聞き下さい )

もちろんこれによって役員賞与も損金にできるのですが、

法人負担の社会保険料が減る ⇒ 損金が減る ⇒ 会社の利益増 ⇒ 法人税増

となることも、忘れてはいけません。


そして、社会保険労務士としての警告。

この社会保険料を減らすやり方、実は 『 標準報酬月額 』 『標準賞与額 』 という仕組みの“隙”をつくことで実現させるのですが、この 『 標準~ 』 というのは、みなさんが給与から天引きされる健康保険や厚生年金の保険料の金額を決めるときの計算根拠として用いているものです。

この金額は会社から年金事務所への届出が義務付けられてて、一人ひとり厚生労働省のデータベースでガッチリ管理されています。

高給取りの人はこの 『 標準~ 』 が高く設定され、薄給の人は低く設定され、将来、厚生年金を受け取るときの計算根拠となり、在職中に高給取りだった人は年金も高額、薄給だった人は年金も少ないです。

( そんな理不尽な… )

すると、社会保険料を減らす、ということは、その前提として 『 標準~ 』 を低く設定するということで、将来受け取る年金を減らす設定をしていることになります。

また、仕事以外でケガをしたときに健康保険からもらえる 『 傷病手当金 』 や出産のときにもらえる 『 出産手当金 』 もこの 『 標準~ 』 を使って金額を決めますから、同じように 『 いざというときに受け取る手当金を減らす 』 設定をしていることになります。

前述の例なら 『 標準~ 』 を月100万円から月10万円に思いっきり減らしますから、たとえ賞与分が高額になっていても、受け取れるはずの年金や手当金は大幅に減ります。

もちろん、生涯現役だから年金もらうことなんて考えてない、というのもアリですが、本当にそうでしょうか?


ところで余談ですが、あなたの会社の 『 役員退職金 』 のルール、次の計算式になってませんか?

最終報酬月額 × 在任年数 × 功績倍率

繰り返しますが、

『 最終報酬月額 』 = 退職時の月額の報酬

をもとにした計算式になってませんか?

それで、月額の報酬って、いくらに変更したんでしたっけ?

いかがですか?

それでもあなたは目の前のキャッシュ、
『 社会保険料の削減 』 を求めますか?

この記事を書いたプロ

山王社会保険労務士事務所 [ホームページ]

社会保険労務士 山王裕之

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