コラム

 公開日: 2017-01-31  最終更新日: 2017-02-09

中堅企業・中小企業・小規模企業の経営改善について

次の3つの問題点に該当するなら、自社の経営内容をチエックして改善する方向に転換する必要がある。

一 最近の売上高が横ばいから減少傾向にある。
二 営業利益が計上できず営業損失を計上。
三 現金預金などの当座資産の残高が減少し、支払資金が不足しがち。

自社の経営が上で見た3点のチエック項目に、一つでも該当するなら、以下の項目を吟味して、その対策を検討し、改善する必要がある。

(1)自社の経営の現状について

①自社の強み・弱みを抽出し、現状を踏まえた厳しい条件の下で戦略を構築することが必要です。

②高い荒利益率(荒利)が自社の商品力の強みを現すものです。何方かと言えば主力商品は低利益が一般的。,荒利の高い商品は販売数は限られる。
そこで外部環境を分析把握して自社の荒利の高い商品を売りさばくチャンスを掴むことができないか。検討してみよう。

③自社の商品・サービスのニーズが低下していないか。
販売競争が激化しているなか、新規参入の競合企業が出現し代替え商品が安く出回っていないか。
それにどう対応していくべきか。

例えば、
・コストを下げれば、どうしても、品質を下げることになる。。
・スピードアップを図ると、どうしても品質は落ちる。
・効率化を図れば、付加価値が下がる。

そこで、反対に顧客の要求を満たす努力をすれば、顧客の支持を得て業績を上げる事につながる。

・コストを下げても、品質を上げる努力をする。
・スピードアップを図り、きめ細かく対応する。
・効率化を図り、付加価値を一段と高める努力をする。

④自社の経営理念やビジョンなどが社内で徹底しているか。会社の雰囲気は良いか。

経営理念は自社の基本的な考え方を示すもので、それを無視することは社長の責任です。社内の雰囲気も社長の責任です。改善しなければ、企業経営の継続は出来ません。

⑤自社独自の技術やノウハウを持つ人材がいるか。人材育成の教育訓練をしているか。
独自の技術、ノウハウは企業経営の基本的な要件です。そのためには社員教育を高めていかなければならない。

⑥営業利益が計上できず営業損失を計上
・過去1~2期のみ営業損失を計上。やむを得ない事情があるなら、その対策を打ち出す。

・過去3期連続で営業損失を計上。次期は確実に黒字計上できるか。その対策はあるか。「中期経営改善計画書」を策定して経営改善する必要ある。

・過去4期以上営業損失を計上。「長期経営改善計画書」を策定し経営改善をしていかなければなりません。

⑦債務超過の場合

・資本金以内で1~2年で解消できる。「短期事業計画」を策定する。
・3~5年以内で解消できる。「中期経営改善計画書」を策定する。
・6~10年で解消する。「長期経営改善計画書」を策定する。

(2)「事業計画書」の策定について

企業再生支援

事業計画は事業の達成目的、目標、達成する計画・過程を示したもの。

先ず、事業計画書の策定前に自社の強み、弱みを把握し、過去3年~5年間の損益計算書・貸借対照表を分析する。そして問題点を摘出し解決策を検討する。

1自社の変動費と固定費を把握する。
・変動費とは売上高に比例して増減する経費で、製造業で言えば直接・間接材料費、買入部品費、外注費、その他直接経費、燃料費など。

・固定費とは売上高の増減にかかわらず必要な経費で、人件費、家賃、租税公課、減価償却費、保険料、光熱費、交通費、その他製造経費、通信費、広告宣伝費、支払利息・割引料、租税公課、その他の管理費。

2損益分岐点売上高を把握する。

算式=固定費÷(1―変動費/売上高)
損益分岐点をいかにして下げるか、。

2-1上の算式の固定費を減らす。
2-2同時に売上高を増やし変動費を減らす。

・固定費を減らす場合、高額経費を絞り検討するが、人件費や労務費は最悪の場合を除き対称としない。家賃やその他固定費を削減方向で努力する。
また減価償却費は全額償却が当然だが、どうしても償却不足が生じるようなら、自社設備とリースのどちらが有利か検討する。

・変動費を減らす
・変動費を減らす場合、材料費・外注費は現在の製品や材料など、また取引先の見直しも検討する事が必要だ。

・目標利益を達成できる売上高の算出。
必要売上高=(固定費+目標利益額)÷(1-限界利益率)

・借入金返済元金を返済出来る売上高の算出。
必要売上高=(固定費+目標利益額+借入返済元金)÷(1-限界利益率)

・必要売上高を確保が達成可能かどうかの判断
必要最低売上高は“損益分岐点売上高”になるのか、必要売上高の確保が可能なのかどうか慎重に見極める事が大切である。

・必要売上高が達成できないと危惧される場合は、変動費。固定費の削減が可能かどうか納得いくまで検討する必要がある。

・達成できる無理のない売上高目標を決定しないと、事業計画が架空の目標に終わる。極めて危険な状況と言わなければならない。

以上の変動費と固定費の分析を中心に、如何に経費の削減ができるかどうか、そして、損益分岐点売上高を算出し、必要売上高が確保できるかについて本番の事業計画書の策定をすることになる。万全な体制を確立しなければならない。

(3)「事業計画書」の策定
1損益計算書(P/L)の作成手順

1-1固定費・変動費額を把握し損益分岐点を把握する。そして、目標売上高との調整をする。この場合、損益分岐点売上高以上の売上高を確保しなければならないこと。

1-2社長や役員はもとより部課長まで参画させることが重要。全社的に取り組み、全社員に徹底させる。全社員に徹底させないと、その計画達成は難しくなる。全社員が一体となりお互いの協力体制が改善目標を突破する努力が極めて重要である。

・実施の段階で毎月の「進捗管理表」作成して全社員が管理する。
2貸借対照表(B/S)を策定する

3事業計画達成のための各社員の行動計画の実施と進捗状況の把握。

例えば、
・1積極的な営業活動の推進。各社員の積極的な販売活動の実行する。
・経費の削減による黒字化のための努力。
・生産性の動向はどうか。一人当たり売上高目標の努力。
・計画的な人材教育の実施。人材育成極めて大切。

必要売上高の達成に全社員が一致協力し断固貫徹する意欲が大切。


(3)強い会社をつくるキャッシュフロー経営の徹底

キャッシュフローとは、現金収支のことで、何も新しい経営手法ではない。これまで中小企業が売掛金・受取手形・買掛金・支払手形・借入金返済などの決済ベースとして行ってきた資金繰り管理とほぼ同様の考え方の手法である。

1よく言われるが、「利益を上げたが、そのお金はどういう形で存在するのですか」。

・商品の在庫として積み増しされているのか。
・、売上債権の回収遅れに使われているのか。
・季節用品の大量仕入れ資金に回っているのか。
・仕入債務の支払いに当てられているのか。
・借入金の返済に使われているのか。
・設備投資に回っているのか。
自社の損益計算書や貸借対照表を見ても、まったく分からない。

2「勘定合って銭足らず」
損益計算書に利益が出ているが、「銭足らず」と言うのはお金が足りないということだ。資金繰りに支障をきたし最悪の場合い黒字倒産に追い込まれるかもしれない。

3デフレ時代にいちばん価値のないものは借金である。
(今はデフレだと言わない人もいるが)
借入金はすかさず返す。この原点から先ず第一歩を踏み出そう。
現金管理をしっかりさせ借金は一刻も早く返済し、健全経営に転換しよう。
まず必要利益を絶対に生みだすという強い経営を実現しよう。

・同時に、売上債権の早期回収をはかる。
・設備投資は徹底的に絞って必要最小限に抑える。
・必要なものをできるだけお金をかけずに買う努力がいる。
・在庫圧縮や遊休資産の処分をする。
・資本金の充実をはかる。

4さらに強い企業意識を保持していくには、更なる自社の強みを継続し強化していく。それには、この分野で常にトップクラス位置し維持する努力が必要だ。

5人材育成のシステム化をはかる。社員を人材化して更なる差別化をはかり、不況にビクともしない企業にしていこう。



ご相談がありましたら、ご遠慮なくご連絡してください。

実績

・「海産物問屋」で創業者の経営努力で堅実経営を全うしてきたが、2代目の事業継続者は認知症を患い経営に支障をきたす。過去の決算報告書をつぶさに経営診断を実施すると、3年連続赤字経営で、しかも営業損失であることが経営改善を困難にしている。しかし、代表者の妻並びに家族ぐるみの協力体制と金融機関等からの借入金がなかったこと。それに仕入先の協力が大きな力になって経営改善が実現されました。

・「フランス料理レストラン店」E氏は一流フランス料理店で長年修業。駅前の一等地で、フランス料理店を開業。店舗24坪、客筋は主に中年女性客をターゲットとする。従業員は店主と妻他2名。昼定食1200円以上、夜定食1500円以上。必要資金24,000千円。自己資金20,000千円、他政府機関系など借入計4,000千円。1年後売上実績は目標額(月額1、000千円)の65%。大幅な赤字経営。しかも家賃450千円/月と高額。失敗の原因は開業時の立地環境調査など基本的な調査の欠如が最大の原因。私は商工調停士として半径500㍍以内の商圏調査並びに朝夕の通勤客などを調査したが、当初狙った中年女性客筋が少なく的外れだった。当地の客筋にはメニュー単価やや高め。さらに製造原価50%は異常です。正常は30~35%です。更に、資金繰りなどが悪化し、経営継続に家族から強い反対があり、私は事業継続は困難と判断。早い時期に閉店することをすすめました。

・「食肉小売店」の代表者のR氏は弟に社長譲り、R氏は会長に就任の予定だったが、借金がかなり過大だったので弟の妻などが猛反対。結局元の代表者が継続することで収まる。継続代表者R氏の経営努力で再起を図る。それには代表者の個人名義の土地、建物を売却処分する。

・「その他飲食店」など多数。

「企業再生支援」の実績から見た成功の要因

・企業再生の再生可能性の判断基準は三つあります。

(1)経常損失だが営業利益は計上できている。
この場合

A減価償却費全額を営業経費に算入している。

B役員報酬を営業経費に算入している。

(2)取扱商品について他社より優位性があり、差別化できる商品力やノウハウを保有していますか。

(3)人材がしっかりしている。

この3点の内2つ以上該当していれば再建は可能性があります。特に(1)のABの条件を満たしていれば更に有効です。三つとも該当していなければ、残念ながら倒産もあり得ます。これに該当する中小企業は多いのが現状かと思われるますが、ではどうすればよいのか。

この記事を書いたプロ

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経営コンサルタント 金子勇

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TEL:048-881-0941

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