コラム

2016-09-06

経営塾9-4 その四 絶対知っておくべき会社がつぶれないための教訓

京セラの経営に学ぼう。繁栄を長く持続するために。

私は稲盛和夫氏の経営哲学や人生哲学を学ぼうとする経営者の全国組織である「盛和塾」(代表稲盛和夫氏)が発刊している機関誌を購読、勉学をさせていただいている。特に塾長講和に注目している。

その「盛和塾48号」塾長講和から、京セラ50年余に培った経営管理の5原則の要旨を紹介させていただく。

第一はキャッシュベース経営の原則。

これは、会計上の数字ではなく、実際の「現金の動き」に焦点をあてること。
経営のベースとなるのは、あくまでも手元のキャッシュでありますから、会計上の利益が出ているからと安心するのではなく、「儲かったお金はどこにあるのか」ということを常に考え手元のキャッシュを増やす経営をしなければならない。と強調している。

例えば、利益が出ていると言っても、それは実際には現金ではなく、在庫に形を変えていたり、売掛金になっていたりと、様々な形態をとっている。このことから、決算では黒字なのに銀行から借金するという事態が起こる。と述べている。

そして、私は創業の時から、手元のキャッシュをできるだけ増やすための活動に努めてきた。その結果、京セラは高収益の企業体質に加えて、無借金経営を早期に達成した。とその成果を強調される。


第二は筋肉質経営の原則。
企業は永遠に発展し続けなければならないはずである。

筋肉とは何か。それは「人」「モノ」「金」「設備」といった、売上と利益を出す会社の資産。一方、売上や利益を生み出さない余分な資産、例えば売れない在庫や過剰な設備は、贅肉である。このムダな資産を徹底してそぎ落とし、有効な資産を最大限に活用する。物品の購入では「当座買い」を原則にしている。

当座買いとは「必要なモノ」を、「必要なとき」「必要な量だけ」購入する。原材料や消耗品などは一括して大量に買えば、安くなるが、私はそれをしない。人間はたくさんのものを買えば、ついムダに使ってしまう。設備投資や増員はくれぐれも慎重に行っている。一度発生した固定費は下げにくい。投機を戒め、額に汗して得た利益にのみ価値をおいてきた。投機的な土地や金融商品への投資はしなかった。

第三は完璧主義の原則。
これは、曖昧さや妥協を排除し、あらゆる仕事を完璧にすることを目指す。

管理部門や営業部門では資料を作成するときなど、少々の間違いは仕方ないと考えている人がいるが、とんでもないことだ。投資計画にしろ、採算管理にしろ、基礎になる数字に少しでも誤りがあれば、経営判断を誤ることになる。例えば、売上や利益計画に対して、「100%には達しないものの、95%は達成したから、よしとする」という考えはない。売上、利益、さらには新製品の開発スケジュールに至るまで、仕事全般にわたる姿勢が、完璧主義で貫かれていなければならない。

第四は採算向上の原則。
企業の管理会計にとって、自分の採算向上を図ることは、もっとも重大な使命である。

私が創業直後から、「アメーバー経営」と呼ばれている小集団独立採算制度を採用してきた。会社が急速に成長するにつれ、肥大化していく組織を小さく分割し、それぞれの組織が主体性をもって事業展開できるようにしたものである。

各アメーバーは一つの中小企業であるかのように活動する。そのアメーバーのリーダーは、基本的には、経営計画、実績管理、労務管理の全般が委任されている。「アメーバー経営」とは社員一人ひとりが自分の目標を明確に把握し、それぞれの持ち場・立場で、目標を達成するために、自発的に努力を重ねることができる。全員参加型の経営システムである。

第五はガラス張り経営の原則。
私は京セラの創業以来、「心をベースにした経営」を心掛けてきた。従業員との信頼関係を構築するために、経営が「透明」なものでなければならないと考える。

「カラス張り経営」で大切なことは、トップ自らが率先垂範、公明正大に業務に従事している姿勢を貫くことである。経営トップによる会社経費の流用や、無分別な接待などは許されるべきものではない。もし、そのようなことが行われるなら、社員の離反を招き、モラルの崩壊は野火のように拡大して、企業経営は根幹から揺るがすことにもなる。

以上、京セラの経営管理の五原則について、学んできたが、これらの考え方を理解し、実践できれば、企業継続は万全であると思う。    次回に続く

この記事を書いたプロ

金子勇経営コンサルティング事務所

経営コンサルタント 金子勇

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TEL:048-881-0941

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