コラム

 公開日: 2012-12-03  最終更新日: 2012-12-04

【牛丼とLCC】過剰な価格競争が日本経済を疲弊させる! ~デフレの行き着く先と国民感情の崩壊~

皆さまこんにちわ、平素より弊社代表のコラムをご開封・ご購読いただき誠にありがとうございます。



ファイナンシャルプランニングという考え方で、個人法人併せて延300件以上のコスト削減実績


企業研修・講演、セミナーを年間100件以上実施
(プレゼンテーション、ロジカルシンキング、問題解決、不動産・金融全般)

TSPコンサルティング株式会社 代表取締役
佐藤 毅(さとう つよし)です。

街を歩くと、クリスマスのイルミネーションと師走の慌しさ…。

クライアント先へ急ぐ足を一瞬止めると、街中は本当に綺麗なライトアップ。

ヒンヤリとした空気が頬を突き刺しますが、街中の楽しそうな雰囲気や家族連れ。幸せそうな男女を見ていると、仕事の忙しさや喧騒の中で、ゆとりや余裕を忘れている自分にふと気づくことがあります。

一呼吸おいて、この幸せな雰囲気と気持ちを感じるささやかな一瞬が今の私の小さな喜びです☆

この気持ちをいつまでも大切に、人に喜ばれ為になる仕事を通して世に‘価値’を提供したいと思います。


さてさて、本日はリクエストコラムをお送りします。

小生はネット大好きです。というか、インドアなのです…。

私のフェイスブック上に、知人より以下のメッセージが届きました。

読んでみたい記事、希望
佐藤さんの好きな牛丼業界の価格競争がどういう影響を一般消費者に与えて、経済にどう影響したか、でそれを踏まえてlccがどうなるか、分析してください!それが読みたい!



この様なリクエストを頂戴しましたので、本日はそのリクエストにお応えします!
是非小生コラムの読者の方で

「こんな記事が読みたい!!」

「先日の○○の記事、もっと詳しく書いてよ!!」


の様な思いの方は、お問い合わせフォームよりメッセージ下さい!

弊社とマイベストプロサイト運営の朝日新聞社の方で協議の上、OKが居りましたら、皆様の読みたい記事。

私佐藤のご意見と私見、裏の見方をたっぷりと交えてお送りします!


詳しくはコラムの最後の方で…。


では、本題へ。



現在でも牛丼販売大手3社では、熾烈な価格競争を展開しております。
各社の並盛1杯の販売価格を比較すると…、


◆ゼンショーHD
すき家…¥280
なか卯…¥290

◆松屋フーズ
松屋…¥280

◆吉野家HD
吉野家…¥380

この様な販売価格の中で、皆さんは牛丼1杯あたりの利益を考えたことはありますでしょうか!?

元吉野家のキャストとして、牛丼を愛していた小生が多角的に分析した結果を申し上げます。

※吉野家では、従業員の事をキャストと言います。オリエンタルランド(ディズニーランド)のオンステージマインドに起因するとかしないとか…。

仕事中は、舞台(ステージ)の主役を演じなさいという事かもしれません。
同様の考え方を採用しているのは、ジャスダック上場の回転寿司を展開する銚子丸。

従業員の事を‘劇団員’というそうです。先日家族と食事をしている際に気付きました。


すいません、話は脱線…。

限界利益を考慮しないで、純然と1杯の牛丼を販売することで得られる利益は…。

1杯辺りの利益…

吉野家…¥5
すき家…¥3
松屋…¥2


です。

そう、各社1杯辺りの利益率は1.5%位という状況です。

そう、牛丼は儲かりません!!ですから、各社はその儲け先を必死に探している状況なのです。

例えば、吉野家では並盛と一緒に頼みたくなる
‘卵’や‘味噌汁’
の単品商品の販売で元を取るビジネスモデルに変わっています。

すき家の場合には、セット販売という手法で一定の売り上げと共に利益率を確保するというビジネスモデルを構築しているのです。

松屋の場合には、そこまで牛丼にこだわりはなく他社に合わせているような状況です。あくまで同社の売りは、鉄板を使っての定食にあります。あと、電子レンジの魔術師と私は揶揄しておりますが、調理におけるもっとも難しい火力や火入れの状態におけるオペレーションの均質化を可能にした、同社の調理は本当に名人芸です。

元調理師としても言えますが、火の入れ方というのは本当に難しいのです。肉の状態や、冷蔵庫から出した時間など、その状態如何で料理の仕上がりは千差万別になります。


味は…。その辺は皆様のさじ加減ですね(笑)


そんな低価格戦略でジリ貧を極める牛丼業界。

消費者の皆様の潜在的な意識について少し探りたいと思います。


かつては頻繁に、現在はたま~に。。

牛丼の値下げ販売を行う事があります。

最安値を守り続けるすき家を運営するゼンショーHDの場合。

セールスで¥250になります。

通常のセールス時における販売価格との価格差はわずかに¥30


どうでしょうか、セールスでも¥250

通常時に¥280

ここまで来ると、牛丼の低価格に対する
‘有難み’
の様なものを感じづらくなるのではないでしょうか!?

そう、我々消費者の中における意識の中で

牛丼=いつでも安いモノ

という負の意識が知らず知らずのうちに芽生えてしまったのです!!
実はこの意識。

かつて、某社が同じ苦汁を嘗めたと言われております。

かつてはデフレの寵児と持て囃され、価格破壊を巻き起こした

日本マクドナルドです。

私が高校生の時、
今から10年前…。

ハンバーガー=¥65
チーズハンバーガー=¥80

という、今考えると恐ろしい価格で提供している時代がありました。

その様な過去を経たマクドナルド。一度このような低価格での商品販売を行ってしまうと…

マクドナルド=安い商品(高く払って食べる必要はない

という、消費者の頭の中に激しい刷り込みを植え付けてしまったのです。

同社は上記の販売セールスを止めた後大変な販売不振に陥りました。それを脱却するべく、多くのタレントを広告に使い、イメージの回復に奔走したのです。

今でこそ、二極化戦略という戦略で幅広い顧客層に適正価格での販売を行えるプロモーションが功を奏しておりますが、それまでの過程は決して平たんなものではなかったのです。

私の周り(含む私)には、

「マクドナルドで¥525以上を支払うのはあり得ない!!」

かつてのバリューセットの価格がラインになっており、それ以上はあり得ないという人も多数いるのです。

一度頭の中に焼付いたイメージを覆すのは大変な労力と広告費を要するのです。


では、その低価格によって日本経済はどのように影響を受けたのか…。


消費者心理の中で、
‘低価格こそ善’

とする風潮が当たり前の様になって行き、低価格こそが全てというようになりました。
その様な風潮の中では、企業も自社の利益を圧縮し低価格での販売を志向せざるを得なくなります。

勿論、無駄がなくなり流通や細かな経費を圧縮することで価格が落ちることは消費者にとってはありがたい事です。しかし、先の牛丼の販売価格から1杯辺りの利益額を見て、これは果して適正な価格戦略と言えるでしょうか!?

視力の0.1を切った私の眼にも、過剰としか見えないのです。

低価格商品の流布によって、日本経済全体が縮小する方向に向かっているのです。


そう、これがまさにデフレの正体なのです。


この様な過剰な価格競争の中、デフレが進行し更に低価格商品が推奨され、流布する。

そう、このようにして日本経済には低価格商品が大量にあふれる様になったのです!!

どうでしょうか…、

牛丼の低価格化を後に、

270円均一居酒屋や、新たな分野開拓として注目される焼き牛丼
(東証2部の三幸マーケティングフーズが営業する‘金の蔵Jr.’と‘東京チカラめし’)

そして、最近では航空機にまでその影響が及ぶようになりました。

低価格航空路線
いわゆるLCC(ローコストキャリア)の誕生であります。


確かに、こちらも無駄(!?)な機内食やサービス、毛布やイヤホン等をすべて有料サービスとして、余計な経費を掛けないというスタイルを貫いて、低価格を実現。消費者にも受け入れられているようですが、先日も機内の客室乗務員の行動規範という事で、機内持ち込み荷物は自分で持ち上げろだの、サービスはしないし、大した用もなければ声は掛けるなだの、結構滅茶苦茶な要望を書いておりましたよね…。

低価格がもたらす弊害。無駄のカットは好ましいと思います。

しかし過当な競争で適正な利益が無ければ、そこで働く人の人件費が下がります。若しくは上がりません。

その人たちにも生活があり、今度はサービスの供給者から一利用者になります。

しかし、そこで貰う給料が頭打ち若しくは低下の一途の場合。

その人の利用するサービスはどうなるでしょうか!?

そう、低価格商品しか利用できなくなってしまうでしょう。

こうして日本は

「1億総国民ジリ貧化」

をたどっているのです。



間違いなくこれから先も、LCCが選ばれることと思います。

しかし、

‘歴史は繰り返す’


が証明している様に、日本経済が

マクドナルドや、牛丼業界に代表される企業によって

デフレ+低価格化=1億総国民ジリ貧化の助長

をした歴史からも、LCCの普及は、めぐり巡って我々商品者の財布を痛めつけます。

【金は天下の廻りもの】


とは良く言ったモノです。低価格商品の利用は一時的には我々のお財布に優しいイメージですが、めぐり巡って確実に我々の懐を痛めつけているのです。

でも、この事実を知る人は居ないのです。誰もがていかかくによる一時的な恩恵にすがっている以上、この構造はきっと変わりません。

全ての商品者に求められること。

適正価格での購買の徹底。

これは一時が万事。徹底することが求められます。しかし、それを阻害する因子が

モラルハザード

という存在なのです。


私はこの問題の具体的な解決法が何かは、未だ残念ながらわかっておりません。私の知識や見識の不足故かもしれません。

しかし、日本経済が本当の意味で立ち直る為に必要な事は

行き過ぎた価格競争に待ったを掛ける事

と考えております。
長文になりましたが、最後まで購読ありがとうございました。

ご意見・感想、要望はこちらまで→
http://fp-tsp.com/contact.html

セミナー・講演情報は随時UPしております→
http://fp-tsp.com/index.html
(SEMINER&WRITINGのタブ内に記載があります)

ご興味有ります方は、ご参照下さい。


TSPコンサルティング株式会社
佐藤 毅

この記事を書いたプロ

TSPコンサルティング [ホームページ]

ファイナンシャルプランナー 佐藤毅史

東京都豊島区東池袋1丁目36番3号 池袋陽光ハイツ507 (本社) [地図]
TEL:03-5957-5027

  • 問い合わせ
  • 資料請求

このコラムを読んでよかったと思ったら、クリックしてください。

「よかった」ボタンをクリックして、あなたがいいと思ったコラムを評価しましょう。

0

こちらの関連するコラムもお読みください。

<< 前のコラム 次のコラム >>
最近投稿されたコラムを読む
プロへのみんなの声

全ての評価・評判を見る>>

 
このプロの紹介記事
金融商品の販売を行わないファイナンシャルプランナー 佐藤毅さん

経済や財務、金融商品などのお金に纏わる知識を広く持つコンサルタント(1/3)

 夢のマイホーム購入、子育て、教育、老後。人生の中で大きな決断が必要なときには必ずと言って良いほど、お金について考えなければならないことが多いものです。  しかし、この人生の大きな決断は人生で一度きり。本や雑誌の特集などに目を通し勉強し...

佐藤毅史プロに相談してみよう!

朝日新聞 マイベストプロ

不動産に関して特に高い専門性を有するFP

事務所名 : TSPコンサルティング
住所 : 東京都豊島区東池袋1丁目36番3号 池袋陽光ハイツ507 [地図]
(本社)
TEL : 03-5957-5027

プロへのお問い合わせ

マイベストプロを見たと言うとスムーズです

03-5957-5027

勧誘を目的とした営業行為の上記電話番号によるお問合せはお断りしております。

佐藤毅史(さとうつよし)

TSPコンサルティング

アクセスマップ

このプロにメールで問い合わせる このプロに資料を請求する
このプロへのみんなの声

分かりやすい説明で、住宅購入の要諦を教えていただきました!

結婚して3年、子どもにも恵まれ何不自由の無い生活をしており...

T・I
  • 30代/男性 
  • 参考になった数(17

このプロへの声をもっと見る

プロのおすすめコラム
【アホノミクスの功罪①】生活物資の価格高騰に消費者はどうすれば良いの!?

【直近開催の公開セミナー情報】◆11月22日(土)ビジネス教育出版社様にて講演します。10:00~13:00...

[ ファイナンシャルプランナー(FP) ]

劇薬を超えた日銀の追加緩和~中小企業は景気回復していない!~

【直近開催の公開セミナー情報】◆11月5日(水)ビジネス教育出版社様にて講演します。10:00~13:00...

[ 経営者としての見解 ]

この国の間違った価値観~生活保護はあるべくしてあるべき!~

【直近開催の公開セミナー情報】◆11月5日(水)ビジネス教育出版社様にて講演します。10:00~13:00...

[ ファイナンシャルプランナー(FP) ]

円安倒産増加に見る、日本のイマ アベノミクスは本当に正しいのか!?

【直近開催の公開セミナー情報】◆10月11日(土)ビジネス教育出版社様にて講演します。10:00~13:00...

[ ファイナンシャルプランナー(FP) ]

独立・起業を目指す人が押さえて欲しい、値決めの基礎知識

【直近開催の公開セミナー情報】◆10月11日(土)ビジネス教育出版社様にて講演します。10:00~13:00...

[ 経営者としての見解 ]

コラム一覧を見る

スマホで見る

モバイルQRコード このプロの紹介ページはスマートフォンでもご覧いただけます。 バーコード読み取り機能で、左の二次元バーコードを読み取ってください。

ページの先頭へ