コラム

2012-10-27

災害で被害を受けたことによる子会社への内定に変更

会社が、災害で被害を被った場合、事業の継続が可能でも人材の採用を見送るケースがでてきます。

災害による内定取り消しのテーマは、以前このコラムでも触れておりますが、採用の内定が雇用契約の成立と認められる実態にあるか否かで判断が異なってきます。

雇用契約が成立している内定の場合は、今回のテーマのような場合、内定取り消し、すなわち、会社からの雇用契約の解約にあたります。災害による事情がやむを得ないと認められる場合は、この取り消しに違法性はないということになります。

参考 ⇒ 災害に伴う事業縮小を理由とする採用予定者の内定取消し
       http://mbp-saitama.com/cyuuou4864/column/90/

ただし、災害だから取り消しできるわけではなく、災害があって、そのことによって予定通りの採用が困難になったことが必要で、かつ、採用内定者の合意を得ることが肝要です。会社が負うリスクを軽減することにつながるでしょう。

子会社への内定に変更する場合ですが、これは、自社との雇用契約を解約し、子会社と新たに雇用契約を結ぶことを意味します。

このように、雇用契約の内容が変わったり、雇用契約先の会社が変わったりする場合は、採用内定者の合意がなければ認められないことになります。

採用内定者が子会社との内定を断ることも考えられますので、採用内定者に十分に事情を説明のうえで、採用内定者の意思の確認を厳格に行っておくことが重要になります。

内定先の子会社への変更が可能な場合でも、会社の事情と内定先が子会社になることの説明のあとで、採用内定者の承諾へと段階的に手続をきちんとおこなっておく必要があります。

内定先企業の変更のための手続を行ったものの、子会社の労働条件が採用内定者にとって不利に変更されるために、採用内定者が雇用契約を断る場合がでてきます。

本社では採用できない事情がありますから、会社としましては、新たな労働条件で子会社と雇用契約を結んでくれなければ、内定の取り消し(雇用契約の解除)を告知せざるを得ないことになります。

法的には変更解約告知といいますが、変更解約告知は、一見、「労働条件を受け入れない場合に解雇するとは---」というように見えますが、変更解約告知の目的は解雇ではなく、労働条件の変更にあります。

ただし、日本で変更解約告知は、必ずしも認められる手法ではなく、認められないとする考え方もありますので、あまりおすすめできる方法ではありません。

認められるための一定の基準は打ち出されていますので、変更解約告知の方法をとる場合は、実態によって具体的な枠組みを当てはめて検討してみる必要がありますので、注意が必要です。

今回のテーマのような場合は、説明と意思確認の手続を厳格な手順のもとに行い、最終的に採用内定者の合意を得ておくことが、最大のリスク回避につながるものと思われます。

それを踏まえて、内定先の変更の実行を検討することがポイントになるところです。

(2012.10.27 特定社会保険労務士 亀岡 亜己雄)

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