コラム

2012-10-15

災害で交通機関が乱れたことによる余裕を持った通勤途中でのけが

最近は、平常時でも電車やバスが定刻通りに運行されないことがあたりまえのようになり、あまり驚かなくなっています。車両故障、信号トラブル、人身事故などを想定してのゆとりをもった通勤が多くみられます。

台風、地震、強風、雪などの災害や悪天候が原因の場合は、さらなる交通機関への影響があることは誰しも予測することです。仕事のために、数時間単位のかなりゆとりを持った通勤を心がけるものです。

そんなゆとりを持って通勤している途中でけがをした場合、通勤災害に該当するものなのか気になります。会社としましては、従業員から当然に報告を受けますので、通勤災害の申告をされることが考えられますので、はっきりさせておきたいところです。

他のコラムでも触れていますが、通勤と認められることが前提です。そのためには、合理的な方法と経路という2つの条件をクリアしていることが必要なわけです。災害時には、通常の方法や経路でなくても、その時の状況で選択できる範囲内での合理的と言えるものであればいいわけです。

災害から交通機関への影響を事前に予測して、1時間や2時間早く家を出たという場合は、通勤と認められるかが分かれ目です。

平常時の場合、たとえば、業務終了後に、残業があるわけでもないのに、1,2時間漫然と話し込んで帰宅の途につき、途中でけがをしたといったときは、通勤災害と認められない可能性があります。

それを前提にしますと、災害の影響とはいえ、1,2時間ゆとりを持って家を出た場合は、通勤と認められないことにもなります。

しかし、災害時の早目に家を出る従業員の行動は、業務に間に合うようにとの思いからとる当然の行動です。あくまでも、ゆとりを持って早めに家を出る行為の目的は、業務のためですから、業務との関連性の点で、通勤に該当すると考えられます。

ただし、災害による交通機関への影響を念頭に置いたとしても、交通機関の遅れ等の状況とあまりにもかけ離れたゆとりの出勤は、通勤とは認められない可能性がありますので注意が必要です。

たとえば、災害後の交通機関の遅れが、30分程度であるのに、2時間も早く家を出たというような場合は、通勤とは認められない可能性があります。

平常時でも、冒頭触れましたように、電車等の遅れがあたりまえであることから、日々2時間早く出勤しているというビジネスマンも多くいるものと思われます。

この場合でも、特に会社から「1,2時間ゆとりをもって出てこい」といった趣旨の指示等がないのに、実際に交通機関の遅れがそれほどないとか、遅れていても、わずかな時間である状況にあるときは、通勤と認められない可能性があります。

会社としましては、通勤のために交通機関の遅れは意識してほしいものの、過剰反応から想定される遅れとあまりにもかけ離れた早めの出勤は、万一、けがをしても通勤災害に該当しないと受け止めておくべきかと思われます。

従業員にも、普段からそのことをきちんと案内し意識づけておくことが重要であると思われます。

(2012.10.15 特定社会保険労務士 亀岡 亜己雄)


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