コラム

2012-10-13

災害による出向元の事業継続不能と在籍出向従業員の取り扱い

事業継続ができなくなるダメージを受ける災害としては、地震、洪水、竜巻が考えられます。出向期間満了までの日数がわずかである場面では、台風なども対象になることが考えられます。

通常、会社の在籍出向の指示は、出向期間を定めて出向先の業務に従事する内容になっているのが一般的です。出向期間が満了すれば、新たな指示によって新たな業務が提供されることになります。

このとき、出向期間満了で出向元に復帰する取り決めになっていれば、出向元に復帰して新たな業務に就くというのが流れです。ただし、これが可能なのは、出向元の正常な業務運営が可能である場合です。

今回のテーマのように、出向元が被災して事業が継続できなくなった場合は、当初、出向元に復帰するという取り決めがなされていたとしても、それが実現できないことが考えられます。

出向元としましては、災害で復帰できない旨を説明したうえで、解雇という手段を取らざるを得ないことが考えられます。

出向元の留意点としましては、出向期間の満了まで待って、期間満了時点でほんとうに事業の継続が不可能かどうか、綿密に検討することが重要です。そのうえで、雇用継続の見込みがないと判断することがやむを得ないことである必要があります。

もちろん、状況を説明して、従業員が自主退職する場合には、何ら問題はありません。措置としましては、退職金等の支給などできる限り一定の従業員の利益を確保するようにすることが望ましいと言えます。

災害によるやむを得ないことと言えども、解雇となった場合は、とかく解雇問題に発展することのリスクがないわけではありませんので、できる限り、しっかりした対応をしておくほうが賢明と言えます。

事業継続不可能の状況の綿密な確認、きちんとした説明、従業員の理解、従業員の利益の確保などを十分に対応することを念頭に、慎重な対応をすることが大切になります。

(2012.10.13 特定社会保険労務士 亀岡 亜己雄)

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