コラム

2012-10-11

電車運休のために宿泊したホテルから出勤途中のけがの取り扱い

少し前に、京急線が土砂崩れでまる1日運休するという事態になったことは記憶に新しいと思います。このように、地震、台風、竜巻、土砂崩れなどの災害により電車が運休することが考えらえます。

他のコラムで触れましたように、タクシーで帰宅することも選択肢の一つですが、従業員の自宅が遠い場合は、会社近くのホテルに宿泊することもありうることと言えます。

ホテルに泊まること自体は、業務との関係でそうすることに理由がある場合には、許されることと言えます。翌日はホテルから出勤することになるわけですが、出勤の途中でけがをした場合、どのように取り扱えばいいでしょうか。

このテーマは、住居でない場所から通勤し、その途上で負傷した場合に通勤災害になるかということです。通勤災害と認められるためには、通勤といえるかどうかにかかっています。

災害の場合は、緊急性がありますので、他に合理的な手段がなければ、通常と異なる通勤手段や通勤経路であっても、その方法を取らざるを得ない場合には、通勤と認められることに問題はないと考えられます。

ただし、通勤と認められる趣旨からは、ホテルから会社までの交通手段や経路が、合理的なものであることが求められます。

たとえば、会社に泊まって、翌朝、自宅に帰宅する場合も同様に考えられます。これが、帰宅途中、簡易宿泊所に寄って、シャワーを浴びて帰ったといったことになりますと、通勤から外れる可能性が高くなります。

災害時の通勤方法に関しましては、通常の方法がとれなくても、選択できる範囲内での合理的な方法であれば通勤と認められることになります。

また、通勤経路に関しましては、通常の経路と異なっても、可能な範囲内で合理的な経路をとっていれば通勤と認められることになります。

したがいまして、災害によりホテルに泊まることが業務との関係でやむを得ないと認められるのであれば、ホテルから会社までの通勤方法や経路が合理的である場合、通勤として認められることになり、その途上での負傷は労災の適用がなされるものと考えられます。

災害時にこのような事態になることは十分に想定できますので、普段から労災の該当性を整理しておきたいところです。

なお、通勤災害に関しましては、以下のコラムをごらんください。

⇒ http://mbp-saitama.com/cyuuou4864/column/266/

(2012.10.11 特定社会保険労務士 亀岡 亜己雄)

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