コラム

 公開日: 2012-10-01  最終更新日: 2012-11-06

取引先の被災により自社の営業を停止したときの従業員の休業と休業手当

昨夜の台風はかなりの勢力で、暴風が去った後がすさまじいようです。都心では電車が運休し帰宅難民になってしまった方も多かったのではないかと思います。

電車が運休し、タクシーを使ったり、ホテルに宿泊した場合の費用の取り扱いについては、以下のコラムを参照ください。

こちらです ⇒ http://mbp-saitama.com/cyuuou4864/column/551/

今回は、自社は災害の影響がなかったものの、会社の営業上必要な取引先がダメージを受けたために、自社の営業もままならなくなったというものです。地震、台風、竜巻、洪水などの場合で、十分考えられるところです。

昨日の台風でも、愛知県や石巻地方で、住民の避難勧告が出ていましたが、同エリアにある会社も避難対象であったと推察いたします。もし、取引先がこんな状況にあれば自社も影響を受けることになるわけです。

このように取引先の原因で自社の業務が滞った場合、従業員を休業せざるを得なくなることがあります。会社は休業手当を支払わなければいけないのでしょうか。災害により業務に支障が出ることは考えられますので、災害時はとかく、休業と休業手当の問題がつきまといます。

通常であれば、取引先の災害は自社にとって間接的なことですので、その結果、自社の業務ができなくなった場合の休業は、会社に責任がある休業に該当すると考えられています。

しかし、災害が大きな地震、大型の台風、竜巻などの甚大なものに該当するような場合には、特殊な事情を考慮して、特別な判断がなされる場合があります。

2011.3.11の際の厚生労働省の考え方では、「今回の地震により、事業場の施設・設備は直接的な被害を受けていない場合には、原則として使用者の責に帰すべき事由による休業に該当する」としつつも、

休業について、その原因が事業の外部より発生した事故であり、事業主が通常の経営者として最大限の注意を尽くしてもなお避けることのできない事故である場合は、例外的に使用者の責に帰すべき事由による休業に該当しないとしています。

具体的には、取引先への依存の程度、輸送経路の状況、代替手段の可能性、災害発生からの期間、休業を避けるための会社としての努力の程度などから総合的に見ることになるとしています。

したがって、このような特別な方針により、会社に責任がある休業ではないと判断される場合は、休業手当を支払う必要がないことになります。

今回のテーマについても、同様に考えられますので、2011.3.11の際の厚生労働省の方針が参考になるかと思われます。ただし、あくまでも例外的な方針ですので、災害の状況や企業努力などによっては、会社に責任がある休業となってしまう場合も考えられますので注意が必要です。

                      (2012.10.01 特定社会保険労務士 亀岡 亜己雄)

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