コラム

 公開日: 2012-09-30  最終更新日: 2012-11-06

災害後の業務の多忙による休憩時間の短縮

どの会社でも、法的要請と従業員の健康等への配慮から、1日の勤務時間の中で、一定の休憩時間を設けているのが通常です。一般的には、1時間の休憩時間が多いようですが、業態により多少の差が見られるところです。

災害の影響で業務量などが増加した場合、一時的なものや一定期間のものであることが予想されるのであれば、36協定を結ぶことによって時間外労働などによって対応することも可能です。

しかし、経営サイドからみると割増賃金の発生から総額人件費の増加を招くため、できる限り避けたいところです。そこで、考えられる方法に休憩時間を短くすることがあります。ただし、全体の労働時間が短縮されるのでなければ、休憩時間を短くすることは、労働時間が長くなることを意味します。

言わずと知れた基本事項ですが、労働時間が6時間を超えて45分以上、8時間を超えて1時間以上の休憩時間を与えることが法の定めになります。労働時間が6時間以内にならない限り、8時間までは最低でも45分の休憩時間が必要になります。一般的には、8時間未満でも1時間の休憩が与えられているようです。

法律の規定を上回る休憩時間を与えていることは、労務上は非常にいいことですが、それを短縮することは、労働条件の不利益変更にあたります。現実の休憩時間が法定を上回っているというのは、法違反になっていないということにすぎないのです。

労働条件の不利益変更は、就業規則を変更する一連の手続が必要になります。労働条件の変更の理由が、災害による繁忙によるものであっても変わりはありません。

では、就業規則の変更をすれば休憩時間の短縮が認められるのでしょうか。不利益変更の場合のポイントは、休憩時間の短縮をしなければならない会社の必要性、それによって生じる従業員の不利益の程度、短縮した休憩時間の妥当性、その変更の手続き(説明、話し合いなど)などの要素になります。

これらの要素を総合的に判断する必要がでてきます。たとえば、1時間の休憩時間を45分に短縮したとして、1日でみた場合には、たとえ15分の短縮であっても、45分に短縮された休憩時間の勤務体制が継続されるわけです。この点も十分検討しなければいけないところです。

企業としましては、このような煩雑な要素と厳重な手続きを経ても、休憩時間の短縮をしなければならいか検討する必要があります。また、たとえ従業員の同意が得られたとしても、労働時間が8時間を超える場合には、最低1時間の休憩時間を与えることが義務になりますので、その点に注意する必要があります。

実際、わずかの時間でも休憩時間が少なくなることは、従業員にとって敏感に影響しますので、慎重に考えて決定すべきと言えます。震災後の業務量の増加傾向がいつまで続くかという状況にもよりますので、業務と勤務体制との関連を十分に検討しましょう。

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