コラム

 公開日: 2012-09-21  最終更新日: 2012-11-06

災害で会社を休んでいる従業員に求める退職願の提出

日本は、地震、雷、火事、竜巻、台風など1年を通して異常な気象などが多くなってきたことから、災害の備えが必要になっている昨今です。

そんな時に、会社は操業に支障はないものの、従業員の住居が災害に合い、当分会社に出てこれそうにもないという状況になりました。このような場合、従業員に「退職願」を出すように言っていいものか気になるところです。

会社としましては、簡単に解雇できないことや解雇できるにしても下手に解雇して違法になった場合を考えますと、労務リスクを避ける方法として、従業員に退職を迫ることがないとは言えません。

実は、災害時に限らず、採用から退職までの過程の中では、会社が退職を迫ることはとても多くみられるのです。多くの場合では必ず問題になっています。

まず、退職ですが、辞職の場合と合意による退職に分けて考えなければなりません。辞職は、従業員の「辞める」という意思しか存在しない、つまり、従業員の一方的な意思による退職のことです。退職届を出してきた場合は、この意思とみることができます。

合意による退職は、「辞めたい」と申込みをして、会社が「わかった」として従業員のその申込みを受け承諾した、つまり、従業員の意思と会社の意思の両方が存在しての退職のことです。退職願を出してきた場合は、この意思とみることができます。

ただし、退職届か退職願かは、書面のタイトルではわからず、そこに書かれている文面、それより当事者の意思が決め手になりますので、実務では、確認をしつつ判断する必要があります。退職の成立の点で異なってきますので慎重に取り扱いましょう。

今回の退職願を出すように会社が言うことは、退職勧奨になる場合もでてきますので、注意が必要です。退職勧奨そのものは、すぐに問題になる行為ではないのですが、従業員の自由な意思を妨げるような退職勧奨は問題になります。この点は、別の機会にコラムで書きたいと思います。

このように考えますと、退職は、従業員の一方的意思か、合意によるかにかかわらず、従業員の意思が必要になります。よって、会社が従業員に退職願を出すように言うことは、申込みにあたりますが、会社から退職の申込みはできないと受け止めるべきと思われます。

従業員が、会社を休むという連絡をしてきた場合は、その理由、休まなければいけない状況か、どのくらい休むことになるかなど詳細な確認をしたうえで、給料などへの影響を説明して、理解をさせたうえで承諾することが求められます。

また、休みが短期間である場合は、選択肢として有給休暇をすすめることも一考です。災害の際には、現実、従業員の休みの問題が必ずやってきますので、対応策をきめ細かく準備しておくことが必要と言えます。

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