コラム

 公開日: 2014-10-10 

◆求人票対策強化の意図するもの

社会保険労務士 平均賃金


厚生労働省が、2014年3月24日から、求人票の記載内容と実際の労働条件が違っていた場合の申出専用窓口、「ハローワーク求人ホットライン」を開設して、半年が経過しました。

中小企業経営者は、厚生労働省のwebサイトを閲覧することはしないと思われますが、一部新聞報道等でご承知の方も多いと思われます。専門家のブログ等でもホットラインが開設されたというニュースレベルにとどまっているものが多くみられますので、注意を活気する意味でもあらためて本コラムで整理しておきたいと思います。

ハローワークの求人票提出の際は、賃金や労働条件、休日などの労働条件を就業規則等と突合せするようなチェック機能は一切ありません。記載内容は、企業側が記載し、内容に法令違反がなければハローワークの求人係は受理します。その点では、ホットライン開設は、チェック機能が何もないことに胡坐をかいてきた国の仕組みの問題が招いたこととも言えるでしょう。

今回の求人ホットライン開設で着目すべきは、決して一時的なものではなく、恒常的な開設であることです。時間を戻してみると、求人票と実際の労働条件が相違する問題は、今に始まったわけではなく、従前からみられたものです。それは、国のチェック機能がなかったことと関係していると思われます。

ブッラク企業問題が顕著になってきたこととの関連で、求人票と実際の労働条件の問題に光があたるようになったとも言えます。労働問題においても、社会保険あるとなっているのに未加入であるとか、正社員となっているのにアルバイトだった、業務内容が溶接となっていたのに鉄骨運びだったなどのようなことが頻繁に起こるようになっているのです。

司法判断においては、求人票は求人広告であるから、記載通りの労働条件を約束するものではないという見解もみられますが、一方で、相違があることで労働契約締結あるいは労働契約スタート後の信頼関係に影響する事柄や相違によって労働者に不利益となる場合は、結論は別としまして、企業は違法性を問われることにもなりかねないのです。

求人票を具にみれば、求人票公開時に決定されていることと、採用後の企業の行為に左右されるものに区分できます。前者は、労働時間や賃金、休日などが典型です。後者は、公的な保険の加入手続き、実際の仕事の内容が典型です。

こうしてみると、なかなか効果のあるチェック機能を課すことは難しいのかもしれません。しかし、労働条件等の相違に関する苦情が増加している以上、放置してはおけませんので、エスカレートが止まらいようであれば、現状では、制裁措置を設けることも考えられるかもしれません。たとえば、苦情が寄せられた企業の求人票は、一定期間ハローワークで取扱いができなくなるなどです。

このようにならぬように、誠実な求人を心がけたいものです。求人ホットラインに苦情がいくときは、当然、企業名も出ますので、苦情がいかないような誠実な労務こそが企業信頼、リスク対策になると考えられます。

行政への書類書き中心の社労士の中で、労務問題対策、リスク対策に力を入れている社労士です
リスク対策は、「事実」にこそあります

(2014.10.10 特定社会保険労務士 亀岡 亜己雄)

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社会保険労務士 亀岡亜己雄

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TEL:048-748-3801

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