コラム

2012-09-19

災害により従業員を解雇する場合の解雇予告手当

取引先が被害を受けたり、会社が直接被害を受けたりしたことで、がんばって状況改善に努力したものの、やはり、再開が不可能であると判断せざるを得ない場合があります。会社にとっては、従業員を解雇するという苦渋の決断をしなければなりません。

このような場合でも、解雇予告手当を支払わなければならないのか思案されるところです。まず、基本的なことの確認ですが、解雇予告手当は、法律で決まっている解雇する場合の手続についての規制です。

手続の規制ですので、解雇予告手当を支払えば解雇できるというものではありません。よく、「解雇の手当を支払えばいいんでしょう」というケースがありますが、解雇の手続の規制と解雇そのものの規制とを分けて捉えておく必要があります。

解雇予告手当は、解雇日まで30日に満たない場合に、足りない日数分を平均賃金で計算して支払うものです。

業務上災害による療養中や産前産後の休業中などは解雇できないという規制もかかっています。ただし、解雇することを告げること(告知)までは禁止されてはいません。

今回のような天災の場合にどのように取り扱うかです。解雇できるかどうかは、他のコラムに譲ることにしまして、解雇予告手当に絞りますと、「天才事変その他やむをえない事由のために事業の継続が不可能になった」場合には、解雇予告手当が除外されるという決まりがあります。

実際に、解雇予告手当の除外を考える場合には、「やむをえない事由」に該当するかどうかがポイントになります。災害により、会社社屋や工場などが倒壊した、火災にあったなどで、通常できうる限りの(社会通念上の)必要な対応をしたとしてもどうしようもない状況を指していると考えられています。

「事業の継続不可能」につきましては、一時的に不可能で、今後次第では、解雇する必要まで迫られたとは言えない場合、認められない可能性が高くなります。そのような状況以外で、事業の全部または大部分の継続が不可能になったという状況にある場合は、認められる可能性が高くなると考えられます。

これらの状況に基づく解雇予告手当の除外は、労働基準監督署への申請(解雇予告除外認定申請書)によって、労働基準監督署に認められた場合に解雇予告手当の支払は必要ないということになります。判断を分けるものは、「やむをえない事由」による「事業の継続不可能」と言えるかどうかによります。

除外事由に該当することを証明するもの(疎明資料=そめいしりょう)として、罹災(りさい)証明書などを添付することになります。

ちなみに、解雇予告手当は、解雇の通知をするときに、同時に支払うこととなっています。最後の給料の支払いのときに払われる場合が多くありますが、そうではありませんので、この点も留意が必要です。

解雇予告手当につきましては、災害という特別な状況の部分を除けば、同様に考えますので、参考になるかと思います。平常時に解雇予告手当について整理してみることをおすすめします。

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