コラム

2014-03-24

◆特定労働者派遣の増加の兆し

派遣各社大手が、技術系、理系の職種や介護職種における特定派遣の拡大をする動きがめだっています。いずれも、将来、発展が見込める分野と位置づけられるもので、将来に向けた人材の確保が狙いのようです。

これまで主流だった登録型派遣は、人材は登録して置くが、常用雇用ではありません。派遣先の仕事がある場合に、派遣元と派遣労働契約を締結する仕組みが多くみられます。一方、特定型派遣は、一般の正社員として派遣元と雇用契約を締結しているため、常に雇用が保障されます。今回のめだっているのは、後者の動きです。

パソナ、リクルート、メイテック、インテリジェンス等の大手は軒並み特定派遣労働者の確保に動いています。人材確保の狙い以外の大きな目的は、派遣先からの収益の大きさがあります。登録型派遣では、時給1000円から1500円ですが、特定型派遣では、時給3000円になります。

しかし、派遣元が負担する福利厚生費や賃金等を考えると安楽としてばかりはいられないのも事実です。また、特定派遣タイプは、常用雇用であるため社員として継続する人材としてかかえることを意味します。その点を踏まえると、上記の職種を特定派遣で賄うことの将来的な見通しをしっかり行う必要があります。

とりわけ、恒常的に人件費が発生するわけですが、内訳として、給料、賞与、退職金、社会保険など通常の労働者レベルで費用の見積もりを行う必要があります。

さらに、特定派遣労働者の採用を増やすことのリスクは、派遣先の負担にもしわ寄せが及ぶ可能性があります。時給3000円あまりの派遣料負担を吸収しなければならない交渉を想定し、派遣先の選定も慎重になるところです。

通常の派遣であれば、労働者に同様の職種の派遣先を探して勤務先として紹介するところですが、費用面を踏まえる必要から、職種のみの選択で考えるわけにはいかなくなる部分も出てくるでしょう。

労働者派遣契約の世界は、とかく、顧客である派遣先が交渉有利になりがちですから、常用雇用としての派遣労働者をかかえる派遣元としては、熟慮したいところです。

【2014.3.24 特定社会保険労務士 亀岡 亜己雄】

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