コラム

 公開日: 2014-02-15 

★あっせんに応じて丸くおさめるほうが得策

あっせんによる紛争解決は、年々勢いを増しています。収益と資金を追いかけている企業からすれば、労使紛争に鈍感なのも無理はありません。しかし、労働者の間であっせんは、メジャー級の紛争解決手段になりつつあります。

理由は、最も短い時間と手間で紛争解決に至る可能性があるからです。あっせんがメジャー級になっている理由はそれだけではありません。実務上、主張内容も判例や既存の要件事実に縛られる必要もなく、事実に基づいて主張を組み立てやすいことも一役かっています。

あっせんは、紛争の当事者である企業と労働者の自主的紛争解決をベースに公的機関がそれをコントロールして解決に導くものです。原則1回2-3時間の事実確認や調整作業を経て合意解決するものです。合意解決しない場合は打切りになります。

こうしたあっせんによる労使紛争の解決の活用も労働者の間ではかなり認識されています。一方、企業のほうは、まだ鈍感でよく認識されていないようです。従前、あっせんは、労働者から申請がされても、会社は応じなければいいという、お澄まし的態度をとれました。

しかし、今は、あっせんに応じなければ、すぐ後ろに整備されている労働審判という制度に紛争をあげることができます。あっせんは行政による紛争解決であり、労働審判は裁判所による紛争解決ですから、連携性はありませんが、第一段階でまずあっせん、第二段階で労働審判という活用が非常に増えてきています。

したがって、申請されたあっせんを相手にせず、無視すれば、労働審判の申立される可能性が高くなっています。労働審判の申立は企業の出頭が強制ですから避けられません。また、あっせん申請により、双方の話し合いを望んで円満に解決しようとした労働者の意に背き、話し合いに応じなかったということになりますから、労働審判や訴訟になった際に、労働者の主張内容にもなってきます。

また、調停による合意解決を試みるとはいえ、合意に至らず出された労働審判を拒否すれば、労働審判と訴訟は連携性がありますから、労働審判の後に訴訟になる可能性もあります。

こうしてみまますと、一たび労使紛争が発生し、あっせん申請がなされた場合、企業としてはそれに応じ、行政による調整型の紛争解決で誠実に解決を考えた方が得策と言えそうです。

【2014.1.24 特定社会保険労務士 亀岡 亜己雄】

社会保険労務士15年、首都圏を舞台に、労務リスク対策と労働問題対応をメインに走り回っております。

以下は、労働問題の視点から1本を1時間かけて書いていますブログです。よろしければお立ち寄りください。労働問題の本音エキス満載です。

⇒ 労働問題の視角 http://laborproblem.blog91.fc2.com/

中小企業向け⇒ http://www.cyuuou606.com/
労務監査  ⇒ http://www.cyuuou4864.com/

この記事を書いたプロ

首都圏中央社労士事務所 [ホームページ]

社会保険労務士 亀岡亜己雄

埼玉県春日部市一ノ割1-7-44 [地図]
TEL:048-748-3801

このコラムを読んでよかったと思ったら、クリックしてください。

「よかった」ボタンをクリックして、あなたがいいと思ったコラムを評価しましょう。

0

こちらの関連するコラムもお読みください。

<< 前のコラム 次のコラム >>
最近投稿されたコラムを読む
主な業務実績等
どんどん進む

★業務実績・企業の労務顧問、労務相談(年平均500件の対応実績)・中小企業の経営分析業務、管理会計研修・中小企業の人件費管理・中小企業の労務リスク対策・...

けがや病気の救済制度
どんどん進む

中小企業のお手伝いや労働者の労働問題の対応の中で、業務上のけがや病気、通勤途中のけが、業務外のけがや病気などで精神的あるいは身体的に機能が正常時よりも衰える...

 
このプロの紹介記事
労務監査、労務分析による労務リスク対策を得意とする社労士 亀岡亜己雄さん

企業内の労務リスクマネジメントは企業の経営資源の適切な活用の第一歩(1/3)

「最近の労働問題は、人材の募集や採用、配置、異動、人事考課や昇給、昇進など労務管理にまつわる事柄のほか、経営者の発言や決めたことの押し付けなどが原因になっているケースが散見されます。データ上最多であるパワハラ、いじめ・嫌がらせに関しては、上...

亀岡亜己雄プロに相談してみよう!

朝日新聞 マイベストプロ

採用から退職までの助言と支援、労働問題の事前措置と事後対応

事務所名 : 首都圏中央社労士事務所
住所 : 埼玉県春日部市一ノ割1-7-44 [地図]
TEL : 048-748-3801

プロへのお問い合わせ

マイベストプロを見たと言うとスムーズです

048-748-3801

勧誘を目的とした営業行為の上記電話番号によるお問合せはお断りしております。

亀岡亜己雄(かめおかあきお)

首都圏中央社労士事務所

アクセスマップ

プロのおすすめコラム
★会社の歓送迎会後の交通事故による死亡が労働災害とされた例
イメージ

 事案の概要  この事件は、従業員Bが従業員7名の会社Yの中国人研修生の歓送迎会に出席後、業務のた...

[ 裁判例に見る労務:労働災害 ]

◆「始末書を書け」と命じることはできるか
イメージ

日々、相談を受けている中で、多くの事案で登場するものの一つに「始末書」があります。「始末書」は、雇用社...

[ 裁判例に見る労務:始末書・誓約書等 ]

★定年前の無期雇用と定年後の嘱託有期雇用の労働条件の相違が不合理とされた例
イメージ

 嘱託有期雇用の賃金低下措置に問題を投げかける判決  一般に、多くの企業では、一定年齢により定年と...

[ 裁判例に見る労務:嘱託雇用、有期雇用 ]

◆メモやノート等はパワハラにおける損害賠償請求の役に立つのか
イメージ

パワハラは、労働問題の中でも証拠が残しにくいと言われている分野です。その足元をみてか、企業サイドは、...

[ 裁判例に見る労務・パワハラ ]

★パワハラの行為類型に関する情報の留意点
イメージ

 パワハラの当事者は、ネット上の種々の情報からパワハラにあたるか否かを判別する手掛かりを見出そうとし...

[ パワハラ ]

コラム一覧を見る

スマホで見る

モバイルQRコード このプロの紹介ページはスマートフォンでもご覧いただけます。 バーコード読み取り機能で、左の二次元バーコードを読み取ってください。

ページの先頭へ