コラム

2014-01-24

◆基本事項で恐縮です-解雇の話

近年、権利ばかりを主張し、まじめに働かないと従業員を揶揄する経営者の声を多く耳にします。浪花節的には非常によくわかります。しかし、一歩下がって従業員の内容を聞く必要があります。

といいますのは、企業は、第一ステップとして、従業員の言っている内容に不合理な点があるかないかを見極める必要があります。たとえば、法律に書いてあることを取り上げずに、めんどうな顔をして軽くあしらう行為は、企業みずから自身のリスクを増していることになります。

最初に触れた、「まじめに働かない」は、多くの場合、会社が満足する業績を上げていないことや会社への貢献度が見られないことを示唆しているようです。果たして、企業は何を重視した態度をとっているでしょうか。

企業の思惑通りの働きをしない従業員に対し、”まじめに働かない”と言って難色を示すことは非常に危険です。加えて、対象の従業員が、残業代を払ってもらえませんかと言ってきた場合には、トラブルになった折に労働者に有利な材料を提供することになってしまします。

残業代の支払いなど法律に書いてあることを言ってきた場合には、主張をきちんと話させて聞き役に徹し、がっちりと受け止める必要があります。この姿勢がくずれると解雇を意味する会社からの意思表示をする構図が浮き彫りになりやすくなります。

会社は、日ごろから恒常的に残業代に対してナーバスになっていることが多くあります。だからといって、残業代の支払を主張してきた従業員を”まじめに働かないのに権利ばかり”と扱ってはいけないのです。

邪魔者扱いして解雇する考えになっては企業のためになりません。自社を保護するためには全く逆で、組織から排除するのではなく、継続した雇用維持装置の中で、合法的な方法を確立することに限ります。

到底、正当な理由とは言えない無理に付けた解雇理由が目立っています。そもそも解雇にする理由がないのに強引に解雇にもっていき、組織から排除しようとすることにボタンの掛け違いがあります。

解雇は、試用期間や予告期間を置けばいいというものではなく、労働契約を解除するに値するほどの将来的な予測性を吟味する必要があります。教育・指導してももはや修正は不可能なレベルであると見極めていいのか、将来的にも改善不能とすることの影響、従業員の不利益はいかなるものかについて冷静に考える必要があります。

そのうえで、最後の手段である解雇権を行使しなければならないかどうかを決定することが肝要です。解雇は、使用者が一方的に労働契約を解除する行為です。一方的に解除することを、会社がかってに労働契約の維持について決定できることと勘違いしている例が見られる昨今です。短絡的に捉えるのではなく、ぜひ心して労働契約に向かっていただきたいと願います。

【2014.1.24 特定社会保険労務士 亀岡 亜己雄】

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