コラム

 公開日: 2013-12-06 

★学生に対する労働法の出前講義がブーム


社会人ならば、「ブラック企業」「パワハラ」「退職強要」などの言葉を知らない人はいないでしょう。企業から見れば、万人が知るところとなっている現況が決して歓迎できない話です。

こうした社会事情が如実に表れているなあと感じることに、最近の教育現場における労働法講義の出前があります。文字通り、出前、つまり学校に出張してまだ社会人になっていない学生に労働法の基礎を伝えるのです。

こうした動きは、NPO法人、弁護士会、社会保険労務士会など団体の動きもさることながら、ノウハウを持つ人材をかかえた各種民間企業においても取り組んでいるところです。その動きは、冒頭の「ブラック企業」「パワハラ」「退職強要」などの言葉の定着とともに、非常に活発化しています。

企業にとっては脅威に映るでしょうか。企業経営上は、外部環境の脅威や内部環境の弱みを推し量り対策を練るのが鉄則です。こうした労務対策は、経営対策と化しています。入社してくる学生は、労働基準法や労働契約法の基礎を学んで入社してくるわけです。

経営体は、どうしてもそこに照準を合わせざるを得ないと言えるでしょう。学生たちは、残業したら割増賃金が支払ってもらえる、有給休暇は取る権利がある、休憩時間は適切になければいけない・・などを学んで入社します。

一方で、こうした出前労働法講義がないとしても、あるキーワードを入力して1週間検索して得た資料から学べば、たった1週間で素人が専門家になれる時代です。インターネットの力、恐ろしさは迫りくるものがあります。

企業の最大の防御策は、労働法を学ぶ学生を問うても致し方なく、法ルールの順守体制の確立をすることにあると考えます。もちろん、できるところから前進していかざるを得ません。ただし、致命傷になる領域やインターネットの書き込み対象になる話題に関する労務については、防御する努力を怠らないことが重要になると考えられます。

一時、「コンプライアンス」という一種の経営上の取り組みが問われた時期がありましたが、継続して問われているものの、「ブラック企業」「パワハラ」「退職強要」などの企業に汚点を残す言葉のインパクトによってかき消されているようにも思います。

再度、原点に返り、そして、常に原点回帰しながら、労働法の要求に答えられる企業に近づくことが必須課題と言えます。

【2013.12.06 特定社会保険労務士 亀岡 亜己雄】

社会保険労務士15年、関東一円を舞台に、労務リスク対策と労働問題対応をメインに走り回っております。

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