コラム

 公開日: 2013-11-25 

★コンプライアンス室は機能させることが大切

 近年は、コンプライアンスという言葉を知らない人はいないほど有名になり、ある程度の企業規模になると相談窓口などの名称で、労務上の諸問題の専用相談機能を設けている企業が多くなってきました。一般的にはコンプライアンス室やコンプライアンス委員会という名称で呼ばれているものです。

 このコンプライアンス室は、労務問題が明るみに出ることを回避できる、第三者に委ねる自体になるのを阻止できる、対外的に設置されていることをアピールできるなどの点で企業側にもメリットがあります。

 しかし、労働者の方も、コンプライアンス室の無機能ぶりを知るところになってきています。中には、最初から自社のコンプライアンス室に相談しにいかないと決めつけているケースも見受けられます。

背景には何があるのでしょうか。コンプライアンス室は確かに組織的に設置されていても、実態としての機能に着目するようになっています。労働者は普段からそのことを敏感に察知しています。つまり、コンプライアンス室があるだけではだめだと思われているわけです。

コンプライアンス室がそのような位置づけ、実態にあるのには理由があります。その一つがコンプライアンス室における人材の適材適所の問題があります。具体的には、コンプライアンス室の担当者にハラスメントを相談しても、上層部に検討問題としてあげてくれない、調査もしてくれない。あるいは、コンプライアンス委員会が、取締役数名で構成されており、何もしてくれないなどに現れています。

 懲戒解雇に該当する理由が存在するのか、ハラスメント行為があったのかなどについて、コンプライアンス室が機能していないことにあると言えそうです。報告・申告された案件について、その内容の真意について、当事者から事情を聴取するなど調査する必要があります。

 最近の食事メニューの偽装問題にも言えることですが、企業は、自社にとって有利不利に関係なく、まず、事実を明らかにするために迅速に動くことが重要だと考えます。労働問題として明るみに出た場合、事案に対する調査など具体的な事後対応がないことで、職場環境配慮義務の問題にもなりかねません。

 企業のコンプライアンス室が機能しないことでそのような法的問題にならないようにしたいものです。中小企業においては、コンプライアンス室のような組織的なセクションはありませんから、経営者が直接担当窓口になるわけですが、経営者が問題の当事者であることも少なくありませんから、第三者の拠り所を決めておくことが前向きな措置になります。

【2013.11.25 特定社会保険労務士 亀岡 亜己雄】

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