コラム

 公開日: 2012-09-07  最終更新日: 2012-11-06

災害を理由とする労働者派遣契約の中途解除による金銭補償の請求

派遣元企業と派遣先企業の関係において、派遣先の災害の影響により、「派遣労働者をこさせないでくれ」と打ち切られることは十分考えられます。災害の場合、これが労働者派遣契約の期間が満了するタイミングであるこはなかなかありませんので、途中での契約解約になることが多くなる可能性が大部分であると考えられます。

「派遣先が災害なのだから、しょうがないのではないか」と派遣先企業の言葉が飛んできそうです。

まず、労働者派遣契約についてです。そもそも派遣元企業(労働者を派遣する側)と派遣先企業(派遣された労働者を受け入れる側)の間では、どんな仕事をいくらの料金で、どのくらいさせるかという内容の労働者を派遣する・派遣を受けるという契約を結びます。これが、労働者派遣契約で、民事上の契約になります。ここは労働契約ではありません。

今回は、この契約が関係する民事上の損害賠償の話です。この契約に関係する内容、プラス、派遣元と派遣先の金銭関係の内容に関するものです。

派遣先の事情により、労働者派遣契約が中途解約された場合に、損害賠償等の規定があれば、この約定によって、派遣先に金銭補償を求めることはできます。もっとも、派遣先が支払うか否かは別の問題ですが、約定からいって支払いを請求することができるというわけです。

ちなみに、あとで出てくる指針によりますと、損賠賠償の規定は、契約の中に規定せよということにはなっています。

では、上記のように、労働者派遣契約に損害賠償等の規定がなかった場合はどうでしょうか。国は、規定がなくても、国が発している指針が適用になるとしています。

「派遣先が、派遣先に責任がある事由により、契約期間満了前に労働者派遣契約の解除をする場合、先の規定がない場合でも、派遣元が派遣労働者に支払う休業手当や解雇予告手当などの金額以上の損害賠償をせよ」としています。

他に、就労の機会が得られる場合は、損害賠償の必要はありません。また、「派遣先と派遣元の両方に責任がある事情による場合には、損害賠償の割合は十分に考慮せよ」とも言っています。

この損害賠償の趣旨は、指針によると、派遣元が派遣労働者に対して、休業補償等の支払いが発生する場合ですから、派遣元においてそれらがない場合は、派遣先は、損害賠償する必要はないということになります。

指針のいう、「派遣先に責任がある理由」に当てはまるかどうかが急所になり、この点でもめることも想定されます。地震・竜巻等による甚大な被害を受けたというだけでは、すぐに派遣先に責任がないとは言えない場合もたくさん出てきます。

参考までに、2011の3.11の時には、国は上記の指針が適用になるとの考えを示し、指針に従ってくれと言っていました。

派遣先にとっては、納得いかない話が出てくることが想起されます。

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