コラム

 公開日: 2013-01-27 

無断欠勤等を理由とする懲戒処分の有効性


今回ご紹介しますのは、争点が19もある事件です。Xの行為としては、派遣社員に対する暴言などの言動が、職場秩序を乱す行為として目立っているところですが、限られた紙幅では限界がありますので、注目すべき判断をしていると思われる、懲戒処分に関する争点の部分を中心に記しておきたいと思います。

(事実)
X(原告)は、Y1(被告)に雇用され、その後、Y1からY3(被告)に出向していた。Xは、Y1社らがした懲戒処分の無効を主張して、処分に基づき減額された賃金等の支払いを求めるとともに(乙事件)、Y1社らの従業員から暴力行為を受けたとして、同従業員らに対し不当行為に基づき損害の賠償等を求め、その使用者であるY1社らに対し使用者責任に基づく損害賠償を求めたものです(甲事件)〔エヌ・テイ・テイ・ネオメイトなど事件・大阪地判平24・5・25〕。

平成18年5月の幾日かについて、午後1時から午後5時30分の間出勤しないことについて、XからY1に対し何も休暇申請がなかったところ、Yの指導があったのにもかかわらずXが応じなかったことから、病気休暇及び有給休暇の申請がない場合、無断欠勤となり、懲戒処分が課されることを書面で通知した。Xは、上記時間の午後4時30分から午後5時30分までの1時間を病気申請を行い、その他の時間は、お客様訪問をしていた旨に申請を変更した。Xは、お客様訪問の裏付け資料を提出せず、2時間の有給休暇申請を行った。結局、Y1は、上記の一部の時間を無断欠勤として処理した。Y1は、無断欠勤行為について、減給処分を決定し、Xの出向先であるY3に同処分を依頼し、Y3はXに対し減給処分を行った。

(判旨)
・・・Xの休暇申請の経緯は不自然であり、合理的な理由があるとは認められないことからすれば、Y1が・・無断欠勤であると判断したことは正当であり、これに加え、Xの無断欠勤に係る休暇申請の経緯の内容やXが既に譴責処分を受けていることをも考慮すれば、減給処分は、社会通念上相当な処分であると認められる。

・・出向中においては、XはY1との間の雇用関係に基づき服務規律に服するとともに、Y3の勤務管理及び服務規律に服することとなるのであるから・・・Y3がY1からの依頼を受けて出向前の行為についてXを懲戒処分することができるというべきである。
 以上によれば、減給処分が無効であることを理由とするXの請求は、その余の争点について判断するまでもなく、理由がない。

果たして、出向先は懲戒権限を行使することができるのか、できるとすれば根拠は何か。本判決はいとも簡単に出向先が懲戒権限を行使できることを認めていますが、考えさせられます。さらに本件の懲戒処分は、Y1からY3へ依頼をして行っています。さらに考えさせられるところです。

【2013.1.27 特定社会保険労務士 亀岡 亜己雄】

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