コラム

 公開日: 2012-11-16 

計画停電に備えた休業日の決定後の従業員からの有給休暇の申請への対応


計画停電という言葉も日本ではすっかりおなじみになったようです。もとを辿れば、原子力発電所が、災害によって電力供給をすることができなくなったことの影響からの対策で、電力の需要を押さえる作戦なわけです。

2011.3.11の東日本大震災は、労務の領域にも、一石のみならず、様々な石を投げかけたようです。

今回のテーマも、電力供給が正常になされていれば、考える必要はないのですですが、台風や竜巻による停電の場合に、事後的に有給休暇の申請がなされることは想定されますので、会社設定の休業日と有給休暇の関係について整理しておくことは有益と言えます。

有給休暇につきましては、災害に備える労務のコラムでもこれまで触れておりますが、一定の継続勤務によって、従業員に有給休暇を取得する権利(時季指定権)が発生します。

また、従業員が指定した時季が、事業の正常な運営を妨げられる場合には、会社は、時季変更権が行使できるとされています。

しかし、有給休暇を考える場合に大切な要素は、有給休暇の申請が、労働日である日に対してなされるものであることです。

したがいまして、会社の休業日が先に設定された場合には、その日は労働日ではなくなっていますから、有給休暇の申請の条件を満たしていないということになります。

結論は、会社は、会社が設定した休業日に対して、従業員が有給休暇を申請してきても応じる義務はないということになります。

逆に、有給休暇の申請が先で、有給休暇の当日が会社の休業日になった場合は、会社としては、労働日ではなくなる日に時季変更権は使えないために、従業員の有給休暇の時季指定権の行使が有効になると考えられます。

今回、取り上げましたテーマは、会社が休業日を設定する場面として、計画停電を素材にしておりますが、そこが重要なのではなく、会社が設定した休業日と有給休暇の前後関係がカギになることが大切な点です。

災害に備えて、会社として何がしかの休業日を設定する場合は、従業員が有給休暇を申請してくることを想定して、きちんと整理しておくことが肝要を考えます。

(2012.11.16 特定社会保険労務士 亀岡 亜己雄)

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