コラム

2012-11-15

災害を想定したフレックスタイム制の導入に反対する従業員への適用


地震、台風、津波、液状化など、2011.3.11以後、日本列島全体がとても災害に敏感になったように思います。電気や放射能にも敏感になりました。

そのように、災害時に起こる様々な対応を想定すると、これまでの定時開始、定時終了という勤務体制を維持していっていいのかと考えさせられます。企業としましては、現状の体制を維持していいという結論にはなりにくいものと思われます。

とはいえ、労働時間の法規制の枠組みの中で、自社に合った勤務体制を模索することに難しさがあることも否めません。会社としては何がしかのルールを取り決めておくことが求められますので、見切り発車とならないよう、十分な検討をしておきたいところです。

労働時間に関する制度設計の枠組みとしましては、1日8時間以内、1週40時間以内という原則、変形労働時間制(中心は1か月単位)、職種等により裁量労働制、そして、本日取り上げます、フレックスタイム制などが検討の対象として挙げられます。

フレックスタイム制の特徴は、コアタイムという必ず勤務しなければならない時間帯を設定し、それ以外の時間帯の勤務を弾力的にする仕組みをとることで、従業員ごとに始業時刻、終業時刻が異なる勤務実態の場合でも、労働基準法違反にならないことです。

フレックスタイム制の手続きの要件は、対象労働者、業務、清算期間などの一定の事項について労使協定をすることとされています。

ただし、この手続要件も、労基法違反にならないという要件にすぎませんので、雇用契約上の根拠とするためには、就業規則に合理的な内容を規定する、あるいは、従業員と個別合意をするなどが求められる点は、留意しておきたいところです。

加えて、今回のテーマでは、フレックスタイム制に反対している従業員への対応の問題があります。この場合は、不利益変更になっていないかという点は、絶対外せない部分になります。

フレックスタイム制になることで、賃金が減額になる、業務量が減少するなどの実態があれば、就業規則の規定も不利益変更になる可能性がでてきます。

ポイントは、フレックスタイム制を導入する会社としての必要性、導入によって生じる従業員の不利益の内容や程度、フレックスタイム制の内容の相当性、従業員や労働組合との交渉・説明などの状況になります。

これらの不利益変更か否かのチェック要素を考慮したうえで、さらに、フレックスタイム制に同意しない従業員は、特に、念入りに不利益の内容を検討することが肝要です。

別途、代償措置を検討することも有効になると考えられますので、合わせて吟味したいところです。

(2012.11.15 特定社会保険労務士 亀岡 亜己雄)

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