コラム

 公開日: 2012-11-14 

外勤中の災害との遭遇によるけがと労災の適用


今は、ITを駆使したビジネスモデルに移行していると言っても過言ではないですが、まだまだ外で動き回ることが主体の仕事も多く残っていると思われます。

電車やバスなどの主力交通機関を垣間見るだけでも、多くのビジネスマンの方が、新規顧客開拓の営業、得意先の訪問などで活発に動いていることが窺えます。また、一般道に目をやると、スーツを着たビジネスマンが社有車で動き回っているようです。

そんな日々の外勤業務中に、地震、台風、土砂崩れなどの自然災害に遭遇することも十分ありうることです。その自然災害によって、従業員が不運にもけがを負った場合に、労災が適用になると考えていいのでしょうか。

基本的に、内勤も外勤も会社の指揮命令下において業務をこなしているという実態があれば、労災が適用になると考えられます。したがいまして、外勤の途中で津波や竜巻に遭いけがをした場合には、指揮命令下にある限り、当然に適用になります。

一方、外勤業務には、内勤業務と異なり判断が難しくなる場面も存在します。たとえば、外勤途中でコンビニによって食物を買う、ラーメン店でラーメンを食べる、公園のトイレに入る、喫茶店でコーヒーを飲むなどです。

これらの行為は、それ自体を見れば、業務から離れていると見ることができますが、のどが渇いて、コンビニで飲み物を買ったり、昼食を買ったりすることは、最低限の行動として、誰しも必要なこと、ありうることです。

この点まで厳しくみれば、いざというときの救済に支障がでますので、この辺のところは、かなり柔軟に適用するように考えられています。

コンビニ、ラーメン店等の飲食店、トイレなどの業務の途上で取られる行動として、通常考えられるものは、業務に付随していると考えるわけです。

ただし、それらの行為の時間が、短いことが要件になってくると考えられています。たとえば、同じ喫茶店でコーヒーを飲んだ行為でも、10分で済ませた場合と1時間30分も雑誌を読んでくつろいでいた場合もあります。

業務上の必要性がないのに、あまりに長い行為は、業務に付随する行為とはみなされないということにもなります。

外勤中の自然災害によるけがの場合は、業務の必要性との関係で、通常、必要とされる行為であるのか、その行為は不必要に長くないかなどがポイントになると考えられます。

こうした点は、災害に限らず平常時にも言えることですので、参考になるかと思われます。

(2012.11.14 特定社会保険労務士 亀岡 亜己雄)

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