コラム

2012-11-10

災害後の復旧・復興を理由に派遣社員に本来業務と別の業務に従事させる場合の注意点


派遣先が、地震、洪水、竜巻等の災害に巻き込まれ、派遣労働者が派遣先でそれまでの業務で働くことができなくなることがあります。災害は様々な影響をもたらします。

派遣元としましても、災害で派遣労働者が従前の業務で働くことができなくなることはやむを得ないことです。

派遣元としましても、できるだけ従前の業務とかわらないものをと配慮・努力して、同様の業務が適用できない場合があることは、想定できることです。

通常、派遣先が派遣労働者を受け入れる際には、派遣元と派遣先が、労働者派遣契約において、派遣労働者が従事する業務を特定することになっています。

したがいまして、労働者派遣契約に定められた業務以外の業務をさせることは禁止されているわけです。

原則ルールは、このようになっていることは理解できたとしても、災害のような緊急時には、労働者派遣契約通りにいかないことになることが多々あります。

そこで、今回のテーマのような災害時には、あくまでも冒頭に触れたような、従前と同様の労働者派遣契約に定めた業務ができなくなることに正当な理由があることが前提ですが、派遣元と派遣先で協議のうえ、労働者派遣契約を見直すことが必要になってきます。

労働者派遣契約は、派遣元と派遣先の間で交わす民事上の契約です。契約変更の場合も双方の合意で行うことが求められます。

2011.3.11の際にも、厚生労働省は、労働者派遣契約の見直しが必要になることを通知しています。同時に、そのうえで、派遣労働者を新たな業務に引き続き従事させてもよいが、新たに従事させる業務が専門26業務以外である場合の注意を促していました。

これは、専門26業務以外の業務に就かせる場合には、原則1年、最長3年という派遣可能期間の制限があることを言っています。

また、2012.10.01施行(一部は2015.10.01施行)の改正労働者派遣法では、日々または30日以内の期間を定めて雇用する労働者派遣を原則禁止(政令26業務のうちの17.5業務については例外)しています。この点もとりあえず頭の片隅に置きながら対応を見直すことになります。

労働者派遣契約につきましては、各都道府県の労働局の需給調整事業の係へ確認のうえすすめられることをお勧めします。

災害時には、このように、急きょ、通常と異なる対応をしなければならないこともあります。基本は、契約で成り立っていますので、変更事項は、すべて契約し直すことで取り決めをしっかりするという手順を踏んでいただければ、大きな問題にはならないと考えられます。

(2012.11.10 特定社会保険労務士 亀岡 亜己雄)

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