コラム

2012-11-09

出張中の災害でけがをした場合の取り扱い


飛行機はともかく、新幹線や電車などの交通機関による移動が出張ではつきものです。電車等に乗車中のとき、乗車前に駅のホームにいるとき、駅に向かってあるいているときなど、出張は様々な状況があります。

そんな出張のなかで、地震、台風等の災害に遭遇することが考えられます。出張という業務に関係している行為ですから、出張途上のけがは労災になると考えたいところですが、どうでしょうか。

まず、基本ですが、出張中は開始から終了まで全体が、業務遂行性あり、つまり、業務に関係しているとされています。その点では、出張中のけがは労災の対象になると考えられます。

ただし、出張中は業務だけではなく、様々な行動をとりますので、どのような場所と状況でけがをしたのか、詳細を確認しないとわからない部分もありますので注意が必要です。

次に、交通機関の関係ですが、出張業務の移動に関係している場合、たとえば、新幹線や電車に乗車中の場合、駅のホームにいる場合、駅に向かっている場合などは業務との関連性が認められ、その途上でのけがは労災が認められると考えられます。

また、出張中に歓迎会に参加して、ホテルまで帰る途中でけがをした場合は、出張の歓迎会が慣行になっていたというような状況にある場合であれば、労災になる可能性があると考えられます。

しかし、同じ歓迎会でも、出張先での業務終了後に知人と開催したというような私的な趣旨が強い場合は、労災と認められる可能性は低いと考えられます。

さらに、新幹線を待つ間、書店やコンビニに立ち寄っている間におきた災害によるけがは、新幹線を待つ時間がわずかであった場合は、労災と認められる可能性があります。

しかし、新幹線の発車までかなりの時間があるというような場合は、私的な要素が強く、労災が認められる可能性はかなり低いと考えられます。

ちなみに、出張中に地元のマッサージ店に立ちよってマッサージを受けていた場合の災害によるけがも、私的な要素が強く、労災と認められる可能性は低いと言えるでしょう。

会社としましては、出張中は開始から終了までの全体が業務関連性ありとされる原則を踏まえつつも、詳細は、けがを負ったときの状況や場所に、私的な要素がどの程度あったかについてよく調査のうえ、吟味することが大切です。

今回のテーマは、地震等の災害によらない場合でも、同様に考えられますので、ある程度、参考になるかと思います。

(2012.11.09 特定社会保険労務士 亀岡 亜己雄)

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