介護予防のために「声みがき術」を提案するセラピー音楽家
コラム
公開日: 2012-10-11 最終更新日: 2014-07-03
高齢者の介護予防のための声みがき術 声を出す準備 遠距離連会いの法則
声の教室
「遠距離連会いの法則」
さて、「声みがき」のトレーニングもいよいよ最後のレッスンとなりました。
もう少しで、貴方の声は見違える(あ、聴きちがえるほどかな)ほど輝いてきますよ。
このトレーニングの中で、貴方は声を出すうえで、理想的な姿勢を体験するとともに、その響きも味わってきました。
その土台の上で、貴方の声を自在にあやつることでコミュニケーション力に溢れた会話ができるようになるのが一番の目的です。
人間、普通に暮らしていても、毎日生きていれば、強い声が必要になるシーンがあります。勿論、また逆に、柔らかな響きのみで語りかけたい時間もあります。
それをコントロールするのは貴方のもつイメージとそれに敏感に応えてくれる筋肉です。
声をだすということは、基本的には、肺に納めた空気を送り返して声帯を震わせることで特定の振動を生み出すことでした。
それで、強い声をだすには・・・「腹筋鍛えてドッカンと一発!」
・・・・・・・・・・これ、一発で声帯がふっとんじゃいます!絶対やってはいけません。
貴方はもう「武蔵自然体の法則」を会得なさっていますよね・・・・
「はっ!」とされた方は、もう一回、その項を読み返してみてください。
そのフォームが取れる方なら、身体のどのあたりにエネルギーが満ちているかを実感できますね。そうです!背中から腰のあたりが充実していますよね。
ここが発声のための、エネルギー貯蔵庫ですよ。
無闇に腹筋を鍛える練習を繰り返して、縦割れ、横割れができたとよろこんでいても、声を出すためには、ほとんど無意味だと思います。
それよりも大事なのは、実は背筋力なのです。
声をだすときには、横隔膜という筋肉がバネの役割をはたしています。
この法則を活用する時にも、貴方のイメージ力が必要になります。
「武蔵自然体の法則」では、重心は貴方の両足の土踏まずの外側に均等に分けられています。その部分と貴方の尾てい骨は頑丈な骨でつながっているわけです。
ですから立っていることができるわけですね。
ここまでは、人体の骨格図をみれば納得できます。
ここからは、貴方のイメージです。
尾てい骨の上に、お皿が横に二枚重なっている図を想像してみてください。
左右の足先から伸びてきた骨が、それぞれ一枚ずつのお皿につながっていると想定します。
つまり、大きめのスプーンの首の部分が曲がっているものが2本。
お腹の部分でその匙(さじ)の部分が重なっていて、持つところは、左右の土踏まずの外側にそれぞれつながっているという図です。
力強い声を出すときは、その二本のスプーンが回転して、匙(さじ)の部分が擦りあわされると想像すればいいのです。
右足のスプーンは時計回りに回転。左足のスプーンは時計とは逆に回転して匙の部分がゆっくりと外に押し出される感じ。
コツは、その匙がこすり合わさりながらゆっくりと弾力をもって回転していることを意識するのです。
当然のことですが、背筋もその動きに同調して気持ちよく緊張してゆきます。
わかりにくければ、もう一度この文章を読み直して自分の身体で確認してみてください。身体全体が内側から外に向かって押し出される感覚です。
これを会得すれば、相当の声量でしゃべることができます。
身体全体がドシンと落ち着いた状態で胸も大きく広がっているのですから、インパクトも十分です。
メッセージを伝えるのは、言葉の部分では、たった7%。声の質・大きさで38%、しゃべっている態度で55%でしたね。
大きな声で伝えたいというのは、それなりに重要な内容なのでしょうから、全身でそれを表現しておきましょう。
それが、このポジションなのです。
遠い距離にある、足もとの土踏まずの部分と腰、そしてそれを音声化する声帯、それらの遠い部分全部が連動するところから「遠距離連会いの法則」と名づけました。
口先だけの言葉では人の心を動かすことは出来ません。
全身運動として声をつかってみてください。
逆に、ささやき声で引っ張ろうとするときは、それぞれの場所の関連性を、ひとつひとつ解除してゆけばいいわけです。
けれど、絶対に見失ってはいけないのは、自分がしっかりと「自分の声のホームポジション」の音の高さで喋っているという確信です。
その音程でなら、ささやき声も説得力も緊張力ももちます。
解除の場所と程度は、時と場合によりますから、これは貴方自身が経験をつんでいってください。
どんな時でも、声を出すことは全身運動であることをよく覚えておいてください。
コミュニケーションをとろうとする時は尚更です。
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