コラム

 公開日: 2014-07-08 

高齢者のための「声みがき術」副読本 「遠距離連会いの法則」

■ 遠距離連会いの法則 ■
「声みがき術」の最終的な目的はおおまかに言いますと二つです。
ひとつは「自分の声のホームポジション」に気付くこと。これに関しては、また幾つかの法則を学んでゆくことが必要ですので、是非それは教則本や、DVD、音声ファイルを活用しながら会得をしていってください。

もうひとつの到達点が、ここでご紹介する「遠距離連会いの法則」を身につけることです。

声をだすということは、とどのつまり、肺に納めた空気を送り返して声帯を震わせることで特定の振動を生み出すことです。

その時には声帯付近の筋肉は勿論大活躍します。

高齢者がよく発症する誤嚥性肺炎の原因を簡単に説明すると、上の図の喉頭蓋の部分が不活発になるため、空気と食べ物を分別できず、食べ物が肺に入ることから引き起こされるのです。それにつながっている筋肉を活発化することで予防につながることが期待されます。

そのためには、舌を良く動かすことです。

つまり沢山お喋りをし、懐かしい歌や気に入った歌を、正しい発声で歌うことも大いに役立つというわけです。

その部分の筋肉は勿論、発声する時に連動する事は予想できますが、「遠距離連会いの法則」ではさらに遠くの部分の筋肉も使ってゆきます。

無闇に腹筋を鍛える練習を繰り返して、縦割れ、横割れができたとよろこんでいても、声を出すためには、ほとんど無意味だと思います。
それよりも大事なのは、実は背筋力なのです。

尾てい骨の上に、お皿が横に二枚重なっている図を想像してみてください。
左右の足先から伸びてきた骨が、それぞれ一枚ずつのお皿につながっていると想定します。





つまり、大きめのスプーンの首の部分が曲がっているものが2本。
お腹の部分でその匙(さじ)の部分が重なっていて、持つところは、左右の土踏まずの外側にそれぞれつながっているという図です。


力強い声を出すときは、その二本のスプーンが回転して、匙(さじ)の部分が擦りあわされると想像すればいいのです。

右足のスプーンは時計回りに回転。左足のスプーンは時計とは逆に回転して匙の部分がゆっくりと外に押し出される感じ。
コツは、その匙がこすり合わさりながらゆっくりと弾力をもって回転していることを意識するのです。
当然のことですが、背筋もその動きに同調して気持ちよく緊張してゆきます。
わかりにくければ、もう一度この文章を読み直して自分の身体で確認してみてください。身体全体が内側から外に向かって押し出される感覚です。

これを会得すれば、相当の声量でしゃべることができます。
身体全体がドシンと落ち着いた状態で胸も大きく広がっているのですから、インパクトも十分です。

大きな声でしゃべる時や、大きく歌いたいときは、このフォームを是非思い出してください。さらには、重心を足の小指に均等に下ろして置く「武蔵自然体の法則」も思い出すなら完璧です。(武蔵自然体は、教則本で確認をしてみてください)

口先だけの言葉では人の心を動かすことは出来ません。

遠い距離にある、足もとの部分と腰、背中、そしてそれを音声化する声帯、それらの遠い部分全部が連動するところから「遠距離連会いの法則」と名づけました。
全身運動として声を出すということを理解して頂ければ幸いです。


この副読本では呼吸をコントロールすることで、心身ともに爽快になるという事を強調してきました。皆様方が呼吸力を活性化して、お得な息をして、ますます元気にお暮らしになることを祈りつつ、「声みがき術」エッセンスの解説を終了いたします。

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