コラム

2012-09-08

高齢者の介護予防のための声みがき術 口内整備  軟口不落の法則 

この手法は「ティラミスの法則」を口腔内にも適用させる術です。
「軟口不落の法則」といいます。
難攻不落という言葉がありますが、それはなかなか攻略しきれない場合に使われます。でも、この法則の場合は「軟口不落」です。字が違いますね。

説明しましょうね。
貴方の口の中の上顎には、硬い部分とやわらかい部分があるのをご存知でしたか。

先ず、よく手を洗ってきてください。
これから貴方自身で口の中を探索していただきます。
洗った人差し指を、口にくわえてください。

そのまま上の歯茎をゆっくりとなぞりながら、少しずつ奥のほうに指先をすすめて行ってください。

最初は硬い骨のような部分ですね。硬口蓋といいます。

しばらくゆくと急にやわらかな部分に指が触れると思います。

そうです。そこから奥が、やわらかな口蓋部分。軟口蓋です。
ここの部分を持ち上げて、落とさないようにする。
それが「軟口不落の法則」の一番のポイントです。


<トレーニングの方法>
鏡を用意してください。
そして口の奥をよくみてください。

口蓋垂というものがみえますね。いわゆるノドチンコと呼ばれている部分のことで、これが下がっているところが軟口蓋の一番奥の部分です。
貴方自身の力で口蓋垂があがった状態をつくりましょう。

声楽の世界では「あくびをかみ殺した状態」といいますが、確かに、この練習をしていると欠伸(あくび)が出やすいのは事実です。

鏡に向かっているときは、実際に口蓋垂が上下するのが見て取れますので、わかりやすいのですが、口を閉じていると中が見えなくて不安ですね。

そんなときにはまたイメージを使います。

「ティラミスの法則」の基本は頭頂部に糸が結ばれたような感じだといいましたが、「軟口不落の法則」を併用する場合には、その糸は頭頂部から更に深く降りてきて、丁度口蓋垂の部分に結び付けられて上に引きあげられているとイメージをします。

イメージだけですから別に痛くないでしょ?

身体も軟口蓋も同時に上にTiraされている状態です。

さあ、その状態でMUUUUUUUUU(ム・・・・・・・・)と声をだしてみてください。

声の高さは貴方が出しやすい高さで結構。
ボリュームも無理に大きくだそうと思わなくていいです。

身も心も自然体のまま、MUUUUUUと発声してください。

貴方が それぞれのステップでしっかり練習をしてきたとしたら、その響きは、今までとは相当違ったものになっているはずです。


身体全体に声が響いていると実感できませんか?
頭にも顔にも、背骨にもそして両手両足の指の先までが振動していると感じられませんか?大きな声がでているような気がしませんか?


もしそういった感覚が得られたなら、その感じを良く覚えておいてください。

残念ながら、そう実感できなければ、もう一度今までの法則を復習してから行ってみてください。
ここは、とてもとても大事な部分なのですから。

これは、貴方にとっての声のホームポジション探しなのです!

うまくいった方も、もっとこころを澄ませて、耳を澄ませて、音を少し高くしたり低くしたりしながら、一番良く響く音の高さを探してみてください。

これは身体全体のチューニング(調律)といってもいいでしょう。

ラジオの周波数を合わせるように、気を使いながらほんの少しずつ音程をずらせて行くのです。

ゆっくりとゆっくりと。

これ以降は、すべてそのホームポジションが関わってくる話なのです。


体全体に音が響いているというのは、みなさんも体験していると思うのです。
最近の家庭のユニットバスでは、無理だと思いますが、温泉場や銭湯(古いかな?)では、小さな声でも大きく響くでしょう。
そして、とりわけ、特別な音の高さで喋ったときに、びっくりするくらいにエコー(反響)がかかるときがあるはずです。

そのときは、その声の周波数とその空間が共鳴をして、「部屋鳴り」がしている状態なのです。

お風呂場で歌を歌うと、上手に聞こえるっていわれますよね。あれです。

あの感覚と似た状態が貴方の身体の中でもおこるわけです。
お風呂場が貴方のボディ、つまり、身体そのものというわけです。

実は、今とても大事なことを言っているんですよ。

貴方の声が貴方の全身に響いていること。
それは身体としても気持ちのいい状態に違いありません。

さらに、こころの面から考えても、とても安心できる状況のはずです。
小さな発信が大きな共鳴を呼んでいるという実感。
それは、ある意味で、「自分自身を客観視している」という体験なのです。

この本では人間同士のコミュニケーションをとるということを、声を通じて学んでいきますが、つまるところ、上記のような状態で人と向き合っていけば、何も恐れる必要はないのです。


自分自身の響きが相手に伝わっている様子を客観視できれば、結果的に貴方の発言はかなり影響力をもつメッセージになったといえるでしょう。

そういったコミュニケーションの根幹にかかわる技を手に入れるトレーニングの仕方を、今、貴方は手に入れることができたのです。

心して自分の「声のホームポジション」をみつけるよう努力してみてくださいね。
ホームポジションの大切さは、また、後ほどお話しましょう。

声みがき術

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