コラム

2012-10-28

寒くなってきたので断熱材の話し

寒くなると断熱材の話題や暖房の話題が増えてきます。
断熱材は冬だけでなく夏の冷房費の軽減にも役立つものですが、冬の暖かさのほうに皆さん関心が高いようですね。

断熱材でインターネットなどを検索してみた方も多いと思いますが、たくさんの断熱材があり、そのメーカ―や工法もたくさん出てきて関心を持って調べれば調べるほど判らなくなると思います。
このことは決定的に有利な断熱材やその工法は無くそれぞれ長所短所があるということです。

私の場合は、コストや工法も重要視しますが木材を構造部に使った家を専門に設計していますので、木材との相性も重要だと考えています。
また、製造時の環境負荷や解体時の処分も考えていかなければいけないと思います。
そのようなことを加味しながら建て主の方に断熱を提案しています。
性能を上げればあげるほど建築コストに跳ね返ってきますが将来的なことや、ライフエネルギーのランニングを考慮し、次世代省エネ基準がクリアーできるレベルをお勧めしています。



また、床・壁・天井(屋根)と部位により求められる性能は違います。天井(屋根)は熱の影響を一番受けやすい部分ですので床と同じ性能でよいわけではありません。
天井(屋根)断熱と同じ仕様を床に持ってきたのでは過剰となります。
また、その逆も言えます。
自然素材系の断熱材は、石油由来の断熱材よりも断熱厚さに対しての性能が劣るのが一般的です。たとえば石油由来のウレタン系などの断熱材を屋根に使うのと自然素材系断熱材を比較すると倍以上の厚さが必要になります。
ウレタンであれば10cmで足りる断熱厚さが20cm必要になったりするのです。
施工手間や工事方法などを考えると同じ性能で自然素材系では割高になる場合もあります。
適材適所はこうストに対しても言えることで、拘りすぎず適材適所で使い分けていくのが賢い方法です。

また、次世代省エネ基準をクリアーする方法としてQ値での数値を設定する方法もあります。
埼玉県(関東の大部分)ではQ値2.7という数字が次世代省エネ基準となります。
Q値とはごく簡単にまとめると、熱損失の総和を床面積で除した
数値ということになり、性能基準とも呼ばれます。

最近では住宅メーカーやビルダーの建物でQ値を売り言葉にしているケースをよく見かけます。「Q値○○の家」みたいな宣伝です。実際に建築希望の方が質問をしたときに、どのような説明をするのか興味がありますが、Q値は断熱材の性能や種類で決まるものではありません。Q値は建物の形状や開口部面積の割合で大きく変わるものなのです。
仮にQ値1.0と北海道で求められる性能(1.6)よりも格段にあげることも数字だけ求めるのであれば簡単です。窓の大きさを小さくしていけば簡単に実現できます。
でも小窓だけの家では快適に過ごせませんね。



「Q値○○の家」の実態はQ値○○の家と同じ工法、同じ断熱材を使っていますが、注文住宅ですのであなたの家がQ値○○になるとは限りません。という説明でないとウソになると思うのです。
完全に規格型であれば別ですが、なかなかそうはいきません。
窓を大きくと希望しただけで次世代省エネの基準に満たなくなってしまうかもしれないのです、本当にその性能を求めるのであれば個別に計算してデータ開示を求めるべきだと思います。
Q値に興味を持ち惹かれる方は性能を求めるのだと思います。であればその数字の本質を勉強して取り組んでいただきたいと思います。一方通行の与えられる知識は片側有利な説明が、えてして多いものです。
私的には「Q値○○の家」的表現には疑問を持っています。

どのような間取り・建物形状・建設場所であってもこれがベストという断熱材およびその工法は無いと思っています。
仮のあるとすればその断熱材が普及し他の断熱材を使うことはないと思います。大切なのは開口部の大きさ・地域性・コスト・構造との相性その他いろいろなことを加味したうえでバランスの良い断熱材・工法を選択することだと考えます。
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