コラム

2015-03-10

地震の揺れには軽い建物が有利です。

地震の揺れには軽い建物が有利です。


 家づくりを考え始めて耐振性などに興味を持つと「建物の屋根は軽い方が地震に強い」「軽い建物で耐震力アップ」などという言葉を目にすることが多いと思います。
感覚的にも理解できることかもしれませんし、私なども簡単に説明するときには「頭が軽い方が揺れにくいですからね」などとお話ししますが大体素直に理解されるような気がしています。

 ではなぜ「軽い建物の方が地震に強い」のでしょうか。
理由は「地震力は建物の重さに比例する」からです。

 「建物の重さ」から整理してみます。
「建物の重さ」とはその建物固有の「自重(構造や材料により変わります)」に「積載」荷重(法的に決められた荷重があります)と地域により「積雪」荷重を合計した数字となります。
その建物に加わる地震力を計算するときは

「建物の重さ」に「層せん断力係数」という法で定められた係数(耐震等級により変わります)を掛けます。

「建物の重さ」×「層せん断力係数」=地震力


 と表せるので建物の重さが直接地震力として関わることがわかります。
数式は単純なんですが実際に建物の重さを計算するのはいやになるほど憂鬱な作業です。
材料を拾いだし、個別の重量を出し×何本・・・・・何枚で何㎡・・・・なんて



 積載荷重は単純です。
住宅やそれ以外の用途の建物でも法律で単位面積当たりの計算用積載荷重が定められていますのでその数字を床面積に掛けるだけです。

 つまり構造が何であろうと床面積が同じであれば積載荷重は変わらないということになります。

 床面積当たりの積載荷重は変わらないし、層せん断係数が決められているとすれば確かに「建物の重さ」により地震力が比例することがよくわかります。
自重に比例するということは「同じ耐力壁量」であれば素材を代えることだけで地震に強くなるということなのです。

たとえば屋根を瓦から軽量なものに。
たとえば外壁モルタルをサイディングに換える。
たとえば外壁モルタルの2階部分をサイディングに換える。
などです。



 注意したいのは「同じ耐力壁量」であればという前提があること


重い素材を使ってもさらに耐力壁量を増やすのであれば軽い素材の建物と同等の耐地震力が得られるということです。

まとめ
建物は軽い方が地震に耐える力が強い、理由は建物の自重により加わる地震力が決まるから。
重い素材を使うときは耐力壁増やす。それは建物の重さに比例した割合とする。

参考までに建物部材の単位重量を上げておきます。
ガルバリウム鋼板の屋根(野地板+小屋組み+屋根)=約400N/㎡
陶器瓦の屋根(野地板+小屋組み+屋根)=約900N/㎡
ガルバサイディング外壁(下地+軸組+内側PB)=約500N/㎡
モルタル外壁(下地+軸組+内側PB)=約1000N/㎡

軽い素材軽い素材とそればかり求めると味気ない建物になりがち、バランスを考えながら耐力壁を増やし住まう人の個性が少しだけ街にこぼれるような上質の住まいを求めたいと考えています。
そもそも耐震性を高める事も重要な事柄では有りますが設計者の仕事はそれだけではないのですから、いろいろ考えることがあるんです。
これでも

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