コラム

 公開日: 2015-02-17 

耐震強度を説明するのはいつも難しい

耐震強度を説明するのはいつも難しい。


「この建物は地震の時に建築基準法の強度を満たしているので安全です。」
という説明がされたとします。

 この説明はある意味では正解ですが前提が変われば不正解となります。
正解の意味としては建築基準法で設定している地震強度以下であれば安全だといことです。
しかし基準法の設定強度以上の地震であれば安全ということはできないので、説明の仕方としては不十分です。



 前提を知ることの大切さ
原子力発電所の問題が大きく取りざたされています。
「原子力は安全だ」と言われ安全神話などとも言われています。
このことも同じことが根っこにあります。
安全と言える前提の中だけで安全と言っていただけで「前提」が崩れれば神話は崩壊します。
実際に崩壊してしまいました。

では建築基準法の「耐震基準の前提」を知りましょう。
国土交通省が監修している性能評価制度の解説に基準が説明されています。

耐震基準の前提は
〇震度5強程度の地震において建物が傷つかない(損傷しない)
〇震度6強から7程度の地震において建物が倒壊しない(倒れない)
品確法:数百年に一度発生する(震度6強から7程度)地震力に対して倒壊、崩壊せず、数十年に一度発生する(震度5強程度)地震力に対して損傷しない程度

という前提で言葉で表すとこのようになりますが数字でも示されています。

性能表示・品確法で定める強度
〇 耐震等級1=建築基準法強度  
           震度5強=80ガル傷つかない(損傷しない)
           震度5強~7 400ガル倒壊しない(倒れない)
〇 耐震等級2=建築基準法の1.25倍
      100ガル  傷つかない(損傷しない) 
          500ガル 倒壊しない(倒れない) 
〇 耐震等級3=建築基準法の1.50倍
          120ガル   傷つかない(損傷しない)
          600ガル  倒壊しない(倒れない)
  
※耐震等級は建築基準法では無く品確法・性能評価制度にての基準です。
震度とガルの関係は 
震度5 80~250ガル
震度6250~400ガル
震度7 400ガル以上



基準法強度をもう一度整理してみます。
〇「震度5強程度の地震では建物は傷つかないが、震度6強から7の地震では倒壊はしないが建物が傾いたりの損傷はやむを得ない」=人命は守れる。

「地震に対して安全」とは正しく言えば「想定した前提の地震に対しての安全です。」

地震以外でもすべての基準には前提があり前提条件を説明しない事には十分な説明責任を果たしているとは言えないのが難しいところ。
ついつい「耐震等級2ですから地震に強いです。」などと説明してしまいがちですがよくないですね。
また建て主さんも「基準となる前提」を意識して説明を求めるようにするとお互いに良いのではないかと考えます。

構造コラム構造コラムはこちらにもあります。
ご覧ください。

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