コラム

2013-12-13

メンテナンスフリーの住まいとは

メンテナンスフリ―の家とは?




住いにおいてもメンテナンスフリーという言葉がよく使われます。
住いにおいて使われるときには、「手を加える必要が無いから手軽だ」という意味になるのだと思いますが、少しうがった見方をすると「手を加える必要が無いから手軽だ」=「メンテナンス出来ない家」と言うこともできます。

メンテが出来ないということは、そのものが完成した時が最高の状態であり、日々劣化していくだけ、資産価値においても完成時が最も高く、年月とともに価値が下がることを前提にしています。
ですから固定資産税においても築後22年で資産ゼロと査定されます。
税金がゼロになるのはうれしいことですが、せっかく思いを込めてつくってもローンが終わる以前に資産ゼロとは何とも寂しい現実です。



しっかりつくった家は築年数を経て中古になっても資産価値があるように、国も重い腰を上げ、長期優良住宅制度や、性能評価制度を創設し、良質な住宅を普及させる取り組みを始めています。

このような制度は、長寿命な家を目指して取組むつくりてにとって、住まい手にとってはありがたいことですが、制度の基準に乗っただけのメンテナンスフリーの家では評価年数が数年伸び、中古流通時に多少は有利になるかもしれませんが、50年後の価値や世代を超えた価値には結びつきません。

自然素材を多用した家はメンテナンスフリーの家とは対極にあります。

たとえば外部に使った木部は定期的にメンテナンスを行う必要があります。
永く持たせるためにはオイルや柿渋などを塗ることが必要です。古い町屋や旧家の板壁などでは50年という時間がたった板張りが現在でも見ることが出来ます。



漆喰の壁は、大掛かりなメンテナンスを必要としませんが、傷などは自分で補修することが出来ますし、ペーパーやブラシでこすると新たな表情が生まれます。

新建材と言われる化学物質由来のビニールクロスや樹脂の素材は自分でメンテナンスはできません。
古くなったらそのものを交換するしかないので自然素材の家に比べ、修繕費が当然大きくなると同時に、セルフメンテが出来ないので業者に依頼することが前提になり、工事費も掛かります。

自然素材の家ではプロに依頼することももちろんできますが、その多くは自分で行うことが出来ます。
できれば趣味の延長として楽しみながらメンテが出来れば費用もおさえられ、自分で住いの状態を把握できます。外壁の杉板にオイルを塗るくらいならそれほど難しくはありません。

欧米の家のように住まい手が自らメンテナンスをすることにより価値を高め、50年、100年と長持ちさせることは可能です。
50年から存在すればそれは地域の文化となるのだと考えています。
今後日本の家もそのようなレベルまで行くと思いますし、少しずつそんな家を増やしていきたいと思います。

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