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 公開日: 2013-03-29  最終更新日: 2014-07-03

外壁材の選び方

外壁材の選び方

塗り壁やサイディング・板などいろいろな素材があり、色や柄それにコストを考えると悩みますね。
メーカーのカタログでは自社の優位性が強調され、必要な情報が必ずしも得られるとは限りません。そこで外壁を選定するための重要なポイントを基礎知識としてお伝えします。



★耐候性
紫外線や雨・温度変化に耐える性能を言います。定量的に測れる基準を外壁材だからと言って明記しなければいけないことでもなく、はっきりと表示されていることはまずありません。
みなさんが一般的に感じるよりも自然素材の耐候性は工業製品より優れている傾向があります。自然素材は紫外線での退色が多いですが退色によって耐候性が落ちることはほとんどありません。
工業製品(サイディング)では表面に塗膜をつくり、塗膜の性能で耐候性を競います。
塗膜の下は基材と呼ばれ基材の性能自体は耐候性にはほとんど影響が無く、外部環境に対して「動かない」伸び縮しない安定性が重要になります。
サイディングの欠点は必ずジョイント部分があり、そこにはシーリング材(防水)が使われていることで、一般的に雨が掛かる場所ではシール材の寿命は10年です。



★可とう性
素材の柔軟性を現します。
建物は常に動いています。風でも動きますし、車が通過しても動きます。長い年月の間には人間が感じないものから大きなものまで地震も経験します。
常に動いていると言っても過言ではないのです。
可とう性は引っ張られてもひび割れない、曲げても割れない。そういう性能を現し、一定の荷重をかけたときの変形量で数値化されますが、カタログでは通常「可とう性が大きい」「可とう性に優れる」などの表現になっています。
構造体の動きに追従し動いてくれる柔軟性が外壁材には重要な要素になりますが、工業製品(サイディング)では基材が柔軟(動け)であれば表面塗膜の寿命を縮めます。サイディングはジョイント部分のシールがフレキシブルに動き基材は安定して動かない。素材としては可とう性が無くともシステムとして十分な可とう性が保たれています。
自然素材では木質(板)は大きな可とう性があり、モルタルなどの下地は可とう性が乏しくひび割れが起こりやすくなります。そのような場合もサイディングの考えと同じく、外壁との間に緩衝材を入れることでひび割れが起こりにくくなります。



★調湿性能
自然素材系の塗り壁などではこの性能を大きくアピールしているところがあり、重要な項目のように見えますが、直接構造体に外壁材を固定する方法でない限りあまり重要視することはありません。現代の工法は工業製品では外壁通気が主流になりつつあり、調湿は外壁の下で行うものという考えです。
自然素材系の外壁であっても通気工法とし、外壁との間に緩衝材を入れることで可とう性も補えます。
また、外壁に調湿性能を持たせることは逆の意味で防水性能に不安があります。

★防汚性能
表面が平滑に近いほど埃は付きにくくなります。
外壁の汚れは排気ガスなどの油汚れから土埃りなど有機物の付着がほとんどです。洗えばたいてい落ちます。何年かに一度洗浄すれば建物の美観も保たれます。
とは言ってもなかなか洗う機会はありませんね。光触媒は光合成の逆の作用を人工的に酸化チタンを用いて行うもので即効性はありませんが長年にわたり汚れが付きにくい効果が実証されています。
自然素材系では漆喰などもアルカリ性でカビが付きにくい素材ですし、帯電しない性質から静電気による埃の吸着も少なくて済むと言われています。
左官素材でコテ模様やキズリ仕上げなどは風合いがあっていいものですが、平滑とは全く違う考えですので汚れは付きやすいと考えてください。特に幹線道路沿いの外壁などにはお勧めしません。
おなじ左官素材系でもモルタル下地の合成樹脂吹付仕上げの方が塗膜表面はなめらかなので洗うこともでき、汚れも付きにくくなります。



★シックハウス性能
内壁ではないので一般的には重要視する項目ではないと考えますが、人によっては重要な項目にもなります。
特に内装材のような規制はありませんがF4は確認しておきたいところです。

★省エネ性能
外壁の省エネ性能はあまり重要な要素ではないと考えています。直貼り工法では省エネに影響がありますが、通気工法ではそもそも冬の寒さに対して外壁は機能していません。夏の暑さに対しては輻射熱を抑える性能が高い方が壁に熱を伝えにくく有利になりますが、暑さ対策で重要なのは壁よりも屋根で、一般的な建物ではすべての壁面積の3倍ほど屋根から熱が伝わります。壁の省エネ性を考えるよりは屋根の省エネに焦点を当てたほうが単純に3倍効きます。

★防水性
雨水を壁内にいれない防水性は外壁材の大切な性能ですが、外壁材単体で防水が足りるとは考えないことです。
サイディングではジョイント部分から、通気工法では通気口から、サッシ周りから、モルタルでは素材から雨水は侵入します。まして年月がたち劣化してくると雨水はどこからともなく入り込みます。
通気工法の場合は通気層の建物側が2次防水層となるように設計します。
自然素材系の外壁材で、吸放湿性能があり「呼吸する外壁」等とうたっている物は間違いなく水を吸います。吸った水は晴れれば放出されますが、汚れを呼び込み事にもなります。
素材によっては通気工法で、2次防水を行わないと採用するべきでない物があるので注意しましょう。
また、適切な工法においては防水性能は必ずしも重要な要素ではなくなってきています。

そのほかにも防火性などがありますが、建物の寿命に影響を与える割合では可とう性能かと考えています。その次にメンテナンスを考えると耐候性、あとは使用する素材に適した工法を採用することが大切です。
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