コラム

 公開日: 2012-11-29  最終更新日: 2014-07-03

耐震・免震・制振

耐震・制振・免震

住宅を新築やリフォームしようと考えるとき、多くに人がその意識の差こそあれ耐震性を考えない人はいないのではないかと思います。
少し興味を持って住宅雑誌を購読したり、勉強をすれば必ず「耐震工法・制振工法・免震工法」という言葉を目にすると思います。
それぞれが地震に対しての処置であることはわかりますが、それぞれが何であるのか、何を重要視すればよいのか、考えてみたいと思います。
地震対策においての基本は「耐震工法」です。
制振工法を採用する場合であっても、耐震工法にプラスすると考えてください。
同じく免震工法を採用する場合でも、耐震工法にプラスする処置となります。
制振・免震それだけ単体では成り立ちません。すべての基本は耐震にあります。



地震の揺れに対して一番安全であろうといわれるのは免震工法の採用です。免震は建物と地盤を切り離す考えのもとに成り立ち、地盤が揺れてもその揺れを建物に伝えない。現実的には全く切り離すことは不可能なので、減衰して伝えるということになります。
住宅用では大きく分けて2タイプ、「滑りタイプ」:面材の上を建物が滑る。「転がりタイプ」:ボールベアリングの上が転がり建物が動く、などがあります。
現実に揺れないわけではないのですし、建物は基準法の制約を受けますので基本的に耐震の性能は一般の住宅と同じに満たしていなければなりません。

免震工法のデメリットは、
○システムと工事費が高額になる。
○メンテナンスが必要になる。
○許認可において公的に安全が確認された工法が少なく、設計者の責任において採用される場合が多い反面、設計者が手慣れていないためにメーカー任せになってしまう。
○施工の適不適の判断がメーカー任せになってしまう。
○地盤が弱いと採用できない。
○建物の内外(給水から排水、スロープなど)が別に動くことを想定した施工が必要になり費用がかさむ。
○強風で揺れる。(対象方法があるメーカーもあり)
おもなところはこのぐらいでしょうか。



制振工法は免震工法ほどの効果はありません。
免震工法が建築基準法の告示において公的なガイドラインが示されているのと比較すると、制振工法にはそのような公的なガイドラインは無く、基準法的には耐力壁でもない「雑壁」と言う扱いになります。
考え方としては耐力壁の一種類であり、耐力壁をサポートし、変形を抑制する「地震の建物損傷を軽減するための工法」です。
金額的にも免震に比べれば1/10程度、40坪であれば40万程度からの費用で済みます。
仕組みとしてはオイルダンパーや高減衰ゴムなどで地震エネルギーを熱に変えて逃がす考えになります。

デメリットとしては、
○壁の中の構造が複雑になり、壁内充填断熱の施工上問題がある。
○製品としての機能の保証が無い物が多く、保証に取り組んでいるメーカーであっても2年から10と短い。
○耐用年数も未公表のメーカーから半永久を唄うところまでさまざまで、費用対効果の優劣が付けにくい。
○建物が損傷しないわけではない。建物の変形が始まってからその能力が発揮される仕組み。
などです。

冒頭でも書きましたが、すべての基本は「耐震」にあります。
地震時の安全を確保するにはまず「耐震」を十分に考慮し、耐震性能を上げることが必要です。
耐震等級2を又は3を取得する住宅であれば、耐震等級1を満足する制振工法よりも安全性は高いと考えます。
制振工法を採用しても建物は損傷します。損傷の度合いをできるだけ軽微に抑えましょうという考えです。

これからの住宅には世代を超えた耐久性が求められます。永いレンジで工法を考え耐久性のある工法を重要視し、「損傷しても倒壊はしない」と言う基本を固めたうえで新しい工法に取り組むべきであると考えます。

免震にしろ、制振にしろ、コストを含めこれが最高と言う工法はまだありません。あれば国が後押ししたり、メーカーや工務店はこぞって採用しているでしょう。
そういう意味で筋交い工法は耐震の王道です。

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