リフォームに、我儘は当たり前ですが・・・我慢も大事です。

女性が求める住まいを形にするママさん建築士

本間香

ほんまかおり

藍建築工房株式会社

[ さいたま市緑区 ]

職種

建築家

コラム

2015-11-14

リフォームに、我儘は当たり前ですが・・・我慢も大事です。

中古マンションをリフォーム

リフォームしたい方の希望をたくさんお聞きします。
その１つ１つは、重い内容の物、必ずしなければならないものから、
容易にできる物、後でもできる物など様々です。
そして、その希望の中には役所の申請や各種公的な審査や申請が必要な内容もあります。

今回、打ち合わせをさせていただいた都内板橋区の築年数が３０年近いマンションの例を通し、
我慢しなければならないこと、もしくはできないことを知っていただきたく思います。

それは　「　電気の容量をあげること　」　です。
一軒家ではなんの問題もないことなのですが、マンションでは大きな問題です。
築年数が古いと、基本３０Ａが多く見られます。
この要領では現代のような生活には対応できません。
エアコン台数・ＰＣ環境・ＩＨクッキングヒーターや食洗機などなどです。
通常は４０Ａ、できれば５０Ａをお勧めしたいところなのですが、
マンションは個々の電気料とオープンスペース（エントランスや階段、ＥＶや外灯り）の電気量が
設計段階で検討され、申請されています。
若干の予備はあるとしても全世帯が容量をあげるまでには至りません。

さてさて、今回は、マルチエアコン（室内機２台で室外機１台のタイプ）を
使いという内容が希望にありました。
また、同じマンションで３０Ａを４０Ａにした人のことも知っていらっしゃいました。
我が家でもできる！
そう思うのは当たり前のことです。
けれど先にも書いたように全世帯分の容量ではありません。
言い換えると早いもの勝ちともいえます。
この内容をマンション管理組合と管轄の東京電力に審査依頼しての返事になります。
その結果希望が満たされなければ、責任はどこにいくのでしょうか？

藍建築工房からは、いくつかの事例もお話し、
完全にお約束できないことを含んでいただけるかどうか説明しました。
お客様はそれではリフォームの意味がないと言います。

お客様の希望（我儘＝素敵な意味合いで）はお聞きしたうえで、
我慢（現実不可能）を受け入れていただくことも大切なことです。

古いマンションの電気の１例ですが、
他にも水道メーターや給湯器であったり、
給排水管を通す床下の保護であったり、
空調機の冷媒管をどこに通すかといった問題で会ったり、
たくさんの人と財産を共有するマンションにおいては大切なことがたくさんあります。

それらもお伝えして、お互いに信頼できたうえでのリフォーム工事です。
大きなクレームになることがないように。